P.6
(読み)
△ぜひ奈く
ぜひなく
ま多ゝ
またまた
この
この
と□
と
□ころ
ころ
を多
をた
ちの紀
ちのき
お
お
こ満
こま
ハ王が
はわが
こ尓
こに
いと満ごひをせんと
いとまごいをせんと
あとにのこりとらハ
あとにのこりとらは
(大意)
仕方なく、またまたここを立ち退き
おこまは我が子に別れを告げ出てゆきました。
あとに残ったとらは
(補足)
くまの体のまわりに文章がまとわりつくように書かれていますので、文章の句切りはデタラメになって、とらの左足先には一行一文字「お」だけです。
「あとにのこり」、ここの「に」はひらがなにも見えますが「仁」ではないでしょうか。
とらに足蹴にされながら、それにしがみつくくまのこの身の構え、じっとみていたらひらめきました。
歌舞伎役者が見栄を切るときの構えそのものではないですか。
左足を立て膝に、上にあげた足をダンと前に出し、右足はおしりの下にもってきて、腕を回して見得を切る口上の直前の構えです。
うーん、それにしてもくまは不心得者なんていうなまやさしい者ではありません。
駆け落ちして子どももある幸せなこまととらの所帯を探し出して、こまを無理やり連れてゆこうとするのですから、性根の腐ったとんでもない奴、すぐにでもしょっぴいて牢屋へぶちこめねばなりません。しかし、こまは子どもたちに暇乞いをして、身を隠してしまいます。
いやはやなんとも・・・
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