2020年1月3日金曜日

豆本 昔咄し花咲ぢゝい その15




 P.11

(読み)
者奈のさ起ける
はなのさきける

ゆへそのところ
ゆへそのところ

をおと本りの
をおとほりの

とのさ満ごらん
とのさまごらん

ありていろゝ
ありていろいろ

のご本う
のごほう

ひを
びを

い多ゞ
いただ

きける
きける

[つぎへ]
 つぎへ



(大意)
花が咲いたので、そこをお通りになった殿様がご覧になられて
いろいろなご褒美を頂戴しました。


(補足)
 江戸時代は頁(ページ)のことを丁(ちょう)といいました。一枚の丁を二つ折りにして綴じ込みますので、このP.11は七丁表となります。
お爺さんの腰の左側欄外に「七」の右半分が見えます。P.10は六丁裏です。

「ゆへそのところ」、次行の行頭の「を」に続くのですが、「ゆへそのところ【を】」と書くことができる余白があるのに、そうしない訳が何かあるはずと考えても、???です。
「ありていろゝ」についても同様で「ありていろゝ【の】」としないのは、なぜなのでしょうか?

 正直爺様は紫色の着物です。紫は僧侶では位の高い人、または高貴な人などしか着ることは許されません。身だしなみよく平伏しています。

 木の幹の色が、普通なら茶色系統などで塗ってしまうところですが、水墨画のように描いているところがなかなかです。

 P.10,P.11の見開きです。



 たくさんのいろいろなご褒美を中心に、両側の人物配置、明るく豊かさを感じられる場面です。


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