P.10
(読み)
[つゞ起]
つづき
多り
たり
正
しょう
じ起
じき
ぢゝいいよゝ
じじいいよいよ
可奈しミその
かなしみその
者いをもら
はいをもら
ひて可れ木尓
いてかれきに
の本り者いを
のぼりはいを
まきし尓ふしぎや
まきしにふしぎや
(大意)
しまいました。
正直爺さんはますます悲しみ
その灰をもらって枯れ木に登り
灰をまいたところ、不思議なことに
(補足)
絵の殿様やおつきの侍を避けて文字を配置しているので、文章の区切りが不規則です。
「いよゝ」、繰り返し記号は大きく長い「く」です。適当なフォントがないので「ゝ」で代用。
「可奈しミ」、ふつうの「し」のときには、その上の文字を左側から包み込むようにしますが、
「正じ起」の「し」+「゛」では他の文字と同じ配置になってます。
「可れ木尓」、ここの「尓」は筆記体の「y」に似てます。
助詞「尓」が文章の区切りの目安になっているのがよくわかります。
この頁の「い」は今まで出てきた「い」と比べて、わかりやすく現在の「い」と同じです。
色ズレなど目立ちますが、手のひらにのってしまう豆本とはいえ、この場面は特に歌舞伎の一場面のようで、大きな広い舞台のような趣があります。
P.4の殿様の太刀の鞘の柄は紅白でしたが、ここでは青。
家紋は丸抜きで、わかりませんね。
殿様の表情が柔和でうれしそう。
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