P.6
(読み)
ふ多り可けおち
ふたりかけおち
せしゆへく満ハ
せしゆへくまは
むねん尓おもひ
むねんにおもい
志よゝ 本ふゞ
しょしょほうぼう
を多づね
をたづね
ある紀こゝ
あるきここ
尓ふ多り
にふたり
いるゆへこら
いるゆへこら
へ春゛いり◆
へず いり
◆おこ満
おこま
をむ
をむ
多ひ尓
たいに
つれ
つれ
ゆ可んと
ゆかんと
せし
せし
ゆへ△
ゆへ
(大意)
二人は駆け落ちしてしまっているので、
くまは悔しくおもっていました。
くまはあちらこちらと訪ね歩き、あるところで二人を見つけ
我慢ができすにおこまを無理やり連れて行こうとしました。
そのため
(補足)
ここはまずP6P7見開きを見ましょう。
中央両手を振り上げ、蹴り上げようとしているのはとら、その左足に右手をまわし組み付いているのが横恋慕のくま、こまはとらの後ろで子どもをかばいつつ小さくなっています。
激しい怒号がきこえ、ドタバタと荒々しい場面です。
右端には子どもが丸くなって騒ぎなど関係なさそう。くまの左足たもとから白いおしりに短いしっぽのようなものが見えてますが、どうしてしまったのでしょう。
P4でもとらの首周りに蛇腹のような折りたたんだ物がありましたが、ここでも同じものが描かれています。
最初の文章は右上ふすまに書くようにしています。この部分のおしまいに「◆」があり、中段の「◆おこ満」に続き、「ゆへ△」で次の「△ぜひ奈く」になります。
「志よゝ本ふゞ」、所々方々ですが、一読してすぐにはわかりません。
「ある紀こゝ」、「むねん尓おもひ」、「おこ満」、「あ」と「お」を比較すると、大きな「丶」があるかないかくらいの違いでしょうか。
「へ春゛いり」、「へ」の下のくずし字が何かとおもったのですが、
「す」の変体仮名「春」に「゛」がついたものです。
「春」のくずし字は「す」+「て」のような感じ。
右中段の子猫に赤色があります。
他の赤色のある部分を見ると、どの箇所もずいぶんと乱暴です。
子猫の赤は摺りミスでしょう。
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