2020年1月6日月曜日

豆本 昔咄し花咲ぢゝい その18




 P.13

(読み)
合いへとミ
 いえとみ

さ可へ
さかえ

ま須ゝ
ますます

者んしやう奈し
はんじょうなし

けるめで
けるめで

多しゝゝ
たしめでたしめでたし


めでたし


御届明治十九年九月廿九日
おとどけめいじじゅうきゅうねんくがつにじゅうくにち

日本橋區馬喰町二丁目十四バンチ
にほんばしくばくろうちょうにちょうめじゅうよんばんち

編輯人
へんしゅうにん

出版人 綱島亀吉
しゅっぱんにん つなしまかめきち

定價弐銭
ていかにせん



(大意)
家は富み栄えますます繁盛しました。
めでたしめでたしめでたしめでたし


(補足)
「者んしやう奈し」、現在では「はんじょう」と読みの発音と文字が一致しますが、当時は「じょう」を「しやう」と書きました。明治時代の言文一致と文部省の指導の結果です。
「けるめで」、「めでたし」と連続して書いてほしいところですが、うーん、当時の人の頭の中はどうなっているんだろう。

 ここでも欲張り爺はしっかり白足袋を履いています。
3人のお侍さんたち全員右利きです。
欲張り爺さん、見事な落ちっぷり。

P12P13の見開きです。



 明治19年は西暦1886年。九月の次が読みづらいですが、刷り上がった後で書き加えたからでしょう。「日本橋區」もあとから芋版か何かで押印したようにみえます。「バンチ」も何か変ですが、よくわかりません。
「編輯」(へんしゅう)
一番左側には裏表紙の柄がまわってきてしまってます。

 裏表紙です。



浴衣柄にしてもよいくらい。
和綴じの紙小よりはあとで付け替えたのでしょう、きれいです。



0 件のコメント:

コメントを投稿