P.9
(読み)
いし越とつて奈げ
いしをとってなげ
つけ个連バ
つけければ
あや万多春゛△
あやまたず
△とら
とら
可゛ミ
が み
けん
けん
尓あ多
にあた
里け連バ
りければ
そのまゝ
そのまま
いきたへ个り尓くざうハさ可奈
いきたへけりにくぞうはさかな
を可ご尓いれ者奈う多う多つて●
をかごのいれはなうたうたって
(大意)
石をとって投げつけたところ、ねらいどおりに
とらの眉間にあたって、そのまま息絶えてしまいました。
にく蔵は魚を籠に入れ、鼻歌を歌って
(補足)
「いし越とつて奈げ」、「い」の二画目がそのまま「し」につながって、さらに「越(を)」にながれているので、スラスラとは読めません。「と」がわかりにくく、「つ」と「て」も重なってこの箇所も読みにくい。
「つけ个連バ」、「け」の変体仮名「个」、このあとにも出てきます。
「あや万多春゛△」、「あやまたず」(過たず)、過(あやま)ちなく。変体仮名が続きます。
段落は△に従って、左上につながります。
「里け連バ」、ここの「け連バ」は、二行目の「つけ个連バ」と文字の並びが同じですが、仮名遣いが異なってます。
「いきたへ个り」、他の箇所ではひらがな「け」でしたが、先程も出てきました変体仮名「个」、上矢印(↑)ではありません。
P8P9の見開きです。
文章にはにく蔵が石をとって投げつけてとらの眉間にあたったとありますが、絵は首根っこを押さえつけ打擲(ちょうちゃく)しています。
おこまは取り乱し何か言葉をとらに投げかけている様子。
左下に、にく蔵の遊んでいた独楽が青魚と並んでころがってます。
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