2019年8月31日土曜日

乍恐以書付御訴奉申上候 中村家文書No380 その3




 11行目〜15行目。「飯能市立博物館所蔵中村家文書」

(読み)
同 村 百  姓  半兵衛 同 清兵衛 右 四人 穀 渡世 之
どうそんひゃくしょうはんべえどうせえべえみぎよにんこくとせいの

者 共 打 毀 し夫 ゟ 同 村 名主 伝 三 同 百  姓  善兵衛
ものどもうちこわしそれよりどんそんなぬしでんぞうどうひゃくしょうぜんべえ

久下分 村 儀次郎 真 能 寺村 百  姓  嘉兵衛右 四人
くげぶんむらぎじろうしんのうじむらひゃくしょうかへいみぎよにん

酒 食  焚 出シ申  付 右 差 出シ不申  候ハバ  打 毀  可申
しゅしょくたきだしもうしつけみぎさしだしもうさずそうらわばうちこわしもうしべく

旨 申  断   ニ付 無拠     焚 出シ致 し右 食  事致 シ夫 ゟ
むねもうしことわりにつきよんどころなくたきだしいたしみぎしょくじいたしそれより


(大意)
同村百姓半兵衛と同清兵衛の右四人、穀物商の
店を打毀し、それより同村名主伝三と同百姓善兵衛
久下分村儀次郎と真能寺村百姓嘉兵衛の右四人が
酒や飯を要求し、断ったならば打ち壊すぞと
おどされたので、やむなく従い食事させました。続けて


(補足)
前回最終行「夫ゟ飯能村名主文右衛門」と今回の1行目「同村百姓半兵衛同清兵衛右四人」とありますが、「右四人」にはなりません。そしてこの3人が「穀渡世之者共打毀し」となるに及ぶのですが、「飯能村名主文右衛門」がつまり、名主さんが打毀しに加担したんですか。そんな訳あろうはずがありません。わたしの解釈がおかしいのでしょう。よくわかりません。
飯能村で名主をやっている文右衛門の村民の者共がという意味ならなんとなく意味は通じます。


 次に続く文章もなんかおかしい。
「夫ゟ同村名主伝三同百姓善兵衛久下分村儀次郎真能寺村百姓嘉兵衛右四人」と確かに今度は4人ですが、またしても「同村名主伝三」が人数に入っています。名主さんが飯や酒を出せと迫る訳がありません。
こちらも上記と同じく、同村で名主をしている伝三さんの村の者共が、と解釈すればよいのでしょうか。でもなんとなくやはり変だなぁ。

「久下分村儀次郎」、「儀」や「義」はよく出てきますが、このくずし字はどうもそうではないような気がします。名前は難しい。

「不申候ハバ」、「ハバ」が読めませんが、上下の文章の流れからの推測です。




0 件のコメント:

コメントを投稿