2019年8月9日金曜日

変事出来二付心得覚記 その267




 P.170 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
可相成   処  両  人 共 病  死致 し
あいなるべきところりょうにんどもびょうしいたし

田畑 家 屋敷家財 欠 所被
たはたいえやきかざいけっしょ

仰付     今 般 御払  御取 調
おおせつけられこんぱんおはらいおとりしらべ

として御出役 二付 前 書 通
としてごでやくにつきぜんしょとおり

申  上 候   処  豊 五郎 欠 所 畑
もうしあげそうろうところとよごろうけっしょはたけ

廿   八 歩之儀者往 古ゟ とハ乍
にじゅうはちぶのぎはおうこよりとはもうしながら

申、畑 地江自儘 二家作 補
  はたちへじままにかさくほ

理置 候   者不相成  儀二付 引
りおきそうろうはあいならずぎにつきひき

請 人 有之  向 後是 迄 之通
うけにんこれありこうごこれまでのとおり

家作 取 建 置 候ハヽ 右  地所
かさくとりたておきそうらわばみぎじしょ



(大意)
うけるべきところであるが、両人とも病死している。
田畑家屋敷家財は没収を
申し渡され、今回それらの処分の調査検討を
するためにご出役が来られ、前書の通り
申し上げましたところ、豊五郎の没収した畑
28歩については代々昔よりとはいえ
畑地であるところに勝手に家作(貸家)を構え
ていたことについてはそのようにはできない事柄なので
引受人が決まったら、今後これまで通り
家作は建てたままにして置くので、この地所




(補足)
「病死」、死がわかりずらい。
「家財」、「財」もわかりずらい。
「欠所」、2頁前では「闕所」でした。
「乍申」、下から返って読むのに、改行して書きづらくはないのでしょうか。読むのにだって大変。
「自儘」、このまま覚える。
「家作」、「家」の筆順がよくわかります。一画目は「一」で続いて「宀」の「、」。
「補理」(ほり)、(しつらい)、読みはどちらでも良さそうです。構え作ること。ととのえ準備すること。しつらえ。補い修理すること。
「置候者」、「置」のくずし字の最後の「一」が次の「候」につながって「不」のように見えてしまってます。
「取建」、当時の建築行為に用いられていた用語のようです。他に「取繕」「取崩」「建替」
「引移」、「囲置」など。


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