2019年8月25日日曜日

変事出来二付心得覚記 その283




 P.186 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
候   間  何 国 成 共 出 行 遍し壱 人二而
そうろうあいだいずくになりともいでゆくべしひとりにて

よ路しと被申  夫 ゟ 詫 入
よろしともうされそれよりわびいれ

駒 吉 帰り 掛ケニ申  様 先 ケ様 二
こまきちかえりがけにもうすさまさきかように

相 成 候   間  御噺 し申  可゛先 生 被申
あいなりそうろうあいだおはなしもうすが せんせいもうされ

候   二者名主 村 役 人 二而も命  ほし可゛里
そうろうにはなぬしむらやくにんにてもいのちほしが り

古満り入 候   先 達 而も廿   五日 廿   六 日 両  日
こまりいりそうろうせんだってもにじゅうごにちにじゅうろくにちりょうじつ

之内 先 生 行  を以多し候   を村 方
のうちせんせいぎょうをいたしそうろうをむらかた

重 立 衆  へ御見せ申  度 是 ヲ御覧
おもだちしゅうへおみせもうしたくこれをごらん

有之  候ハヽ  私  し身分 怪 敷 ものか、
これありそうらわばわたくしみぶんあやしきものか

又者 一 同 御案 心 被下  候   様 致  度
またはいちどうごあんしんくだされそうろうよういたしたく

候   間  廿   六 日 二有 間岩 穴 へ登山
そうろうあいだにじゅうろくにちにありまいわあなへとざん

被下  候   様 引 合 候得共   御 出無 之
くだされそうろうようひきあいそうらえどもおいでこれなく


(大意)
なので、どこかの国へ行ってしまうべきです。ひとりで
かまいませんと申され、それからご迷惑をおかけしたこと詫びられました。
駒吉が帰りがけに申すには、先方があのように
なってしまっているのでおはなししますが、先生がおっしゃるには
名主村役人でも命は惜しく
困りいっているでしょう。先だっても25日26日両日
のうち、先生が行を行っているところを村の
主だった人たちへお見せしたく、ご覧入れようと
しました。ところが私の信用がなかったものなのか
または皆様の心配事がなくなるようにしたい
ので26日に有間の岩穴へ登って
くださるようにとりもちましたが、いらっしゃいませんでした。



(補足)
 外国語を翻訳するときと同様に、文章の一字一句を正確に日本語に置き換えてゆくだけの作業では、いわゆる逐語訳では、だめなのは古文書の翻訳でも同じことです。
 文章全体の情景や流れがとらえられなければ、ただの文字の羅列になるだけです。

 大意のように記しはしましたが、われながら困った状況で、どうもうまくこの頁の内容をつかんでいません。なのでフィクションにもなってなく、うーん、情けない。

「国」のくずし字は特徴的。
「路」(ろ)、変体仮名。
「ほし可゛里古満り」(ほしがりこまり)、変体仮名の連続。
「行」、頻出くずし字ですが、どうも苦手。
「重立衆へ」、(ヲモ)とフリガナがあります。
「怪敷」(マキラシキ)とふってありますが、なんのことでしょうか?
「引合」、「引」のくずし字、形で覚えるしかありません。


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