2019年8月3日土曜日

変事出来二付心得覚記 その261




 P.166 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
高 直二付 難 儀致  候   迚 困 窮
たかねにつきなんぎいたしそうろうとてこんきゅう

之者 共 徒黨 を結ひ兼 而夫 食
のものどもととうをゆひかねてそのしょく

買 入 候   武   州 飯能村 穀 屋共 へ
かいいれそうろうぶしゅうはんのうむらこくやどもへ

押 参 り強 談 之上 米 穀 可借
おしまいりごうだんのうえべいこくかりうけべく

請旨 紋 二郎 發 意二豊 五郎
 むねもんじろうはついにとよごろう

同 意い多し終 二右 之趣   觸 歩  行
どういいたしついにみぎのおもむきふれあるきゆき

人 数 相 集 メ猶 人 氣を可引立と
にんずうあいあつめなおひとけをひきたてべくと

竹 螺 吹 鳴 し村 々 者 共 何 連茂
たけぼらふきならしむらむらものどもいずれも

黨 二可加    若 不罷出  者 共 ハ居
とうにくわわるべしもしまかりでずものどもはきょ

宅 可焼拂    杯 大 音 二呼  り候   ゟ
たくやきはらうべしなどだいおんによばわりそうろうより



(大意)
が高額のため生活に困難をきたしていたとはいえ、生活困窮者
の者共が徒党をなし、以前より食料を
買い入れていた武州飯能村の穀物店へ
押し入り、強引に談判し無理やり米穀物を借り
受けることができるようにと紋二郎の考えに豊吾郎が
同意した。その結果そのことを触れ歩きまわり
人数を集め、さらには衆人の注目をひこうと
竹螺(たけぼら)を吹き鳴らした。村のものたちの誰もが
徒党に加われと、もしそうしない者たちがいたら
家を焼き払うぞなどと大声で叫んでいた。そして



(補足)
 さすがというか、お役人さんの文章は、判決文だからなおさらのこと、格調高く威厳があるように書かれているような、平伏させ恐れおののくとまではいかないかもしれないけど、そんな雰囲気がひたひたと押し寄せてくる内容です。

「結」、難しい。
「兼而」、「而」が小さい上に、次の「夫」の方にくっついてそちらの字になってしまっているようで難。
「買」、難しい。
「發」、はつがしら(癶)だけで一文字のように見えてしまいます。
「終」、このいとへん(糸)は先の「結」のものと比べるとわかりやすい。
「猶」、犭の1画目は右から左へですが3画目は左から右になってます。
「竹螺(たけぼら)」、法螺貝のように、竹の筒を上手にボォーボォーと吹き鳴らした?

 律儀にしっかりと記されている頁です。


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