2019年8月17日土曜日

変事出来二付心得覚記 その275




 P.178 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
為御取調     被成御越  御見 分 之上
おとりしらべのためおこしなされごけんぶんのうえ

御拂 之 積  近  村々  江入 札 被仰
おはらいのつもりちかくむらむらへいれふだおおせ

觸   候得共   望  人 無之  村 買 請
ふれさせそうらえどものぞむひとこれなくむらかいうけ

被仰付候       二付 夫々  二直段 仕
おおせつけられそうろうにつきそれぞれにねだんつかまつり

合 永 三 貫 八 百  七 拾  壱 文 二而御拂
ごうえいさんかんはっぴゃくななじゅういちもんにておはらい

被仰付度     段 申  上 候   処  畑地 之
おおそつけられたくだんもうしあげそうろうところはたちの

儀者所質入直段      江御見合
ぎはしちいれねだんのところへおみあい

御調  有之  建 家其 外 之儀も
おしらべこれありたてやそのほかのぎも

増 永 可仕     旨 御吟 味御座候得共
ぞうえいつかまつるべきむねごぎんみござそうらえども


(大意)
お取り調べのためこちらに来られご検分のうえ
売り払う予定である。近々村々へ入札をおこなう
だろうが、買おうとする人はなく村で買うよう
申し渡されている。そのためそれぞれに価格を聞き
合計3貫871文にて売り払っていただける
よう申し渡されたいと申し上げましたところ、畑地に
ついては質入れの値段に釣り合うよう
お調べがあり、建屋その他についても
金額割増していただける旨のご吟味が御座いました。しかしながら


(補足)
 入札をしても誰も参加するものはなく、結局村で買い上げよとのお上のご意向、
村役人たちも困っています。

「御調」でも意味は通じ間違ってはいないはずですが、あとから「取」を加えてます。
「積」、禾偏が火に見えます。
「望」、形で覚えるしかなさそうです。「亡」「月」「王」を縦に並べたようなくずし字。
「直段」、値段のこと。
「畑地之儀者所質入直段江御見合」、「所〜」がわかりません。「見合」は価格が適正かどうか判断することだろうとおもいます。この「所」はどこにつながるというかかかるのでしょうか。



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