P.183 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
御役 所 江罷 出申 そくないヲ
おやくしょへまかりでもうしそくないを
以多し夫 ゟ 出 立 候 様 被仰付候
いたしそれよりしゅったつそうろうようおおせつけられそうろう
御届 ヶ書 計 り御座候ハヽ 何 も
おとどけしょばかりござそうらわばなにも
子細 無之 萬 一 御尋 等 有之 候ハヽ
しさいこれなくまんいちおたずねとうこれありそうらわば
私 共 之内 壱 人罷 出 其 段 申 入 候ハヽ
わたくしどものうちひとりまかりでそんだんもうしいれそうらわば
其 儘 二相 成 候 處 只 今 二相 成
そのままにあいなりそうろうところただいまにあいなり
岩 鼻 へ罷 出 其 旨 申 入 候ハヽ
いわはなへまかりでそのむねもうしいれそうらわば
栄 助 義者首 ハ無之 武家
えいすけぎはくびはこれなくぶけ
なら者゛右之 由 百 姓 之事 なら者
ならば みぎのよしひゃくしょうのことならば
古満り入 候 只 今 二相 成 候ハヽ 岩
こまりいりそうろうただいまにあいなりそうらわばいわ
鼻 へ罷 出候 事 も不相成 候
はなへまかりでそうろうこともあいならずそうろう
(大意)
お役所へ出かけ申し上げ損なって
しまい、そのまま出立するよう申し付けられました。
お届けの書付ばかりで御座いましたので何も
細かいことはわからず、万一お尋ねなどがありましたならば
私どもの内のひとりが出かけ事情を説明申し上げれば
そのままで済んでしまったところでありますが、今になって
岩鼻へ出かけ事情をお話申し上げれば
栄助殿は首がなく、武家
ならばそのような事になり、百姓の事ならば
困り果ててしまうでしょう。今となっては
岩鼻へ出かけることもできることではありません。
(補足)
我なが読解力のなさに呆れ果てます。想像力と妄想力は衰えてはないようですが。
栄助殿は行者が有間に滞在していることは承知しているのだが、その行者がいうには
栄助殿が岩鼻へ出かけたときに、このことをお上へ言いそびれてしまった。
「夫ゟ出立候様被仰付候」はお上が誰に言ったのかがよくわかりません。
栄助にもう下がって良いと言っただけなのか?うーん。
お届け書ばかりで細かいことはわからず、こちらから出向いて説明することもできず、
何かお尋ねのことがあれば出向いたおりに申し上げることもできました。しかし今さら
お上に申し上げても武士ならば首がとぶところですし、百姓でも困りいってしまうことです。
有間に腰を落ち着けてしまった行者、どうしたものか・・・。
まぁ、こんな感じに想像したのですが、フィクションかもしれません。
出だし、「御」と7行目「岩」が潰れています。書き間違いで上書きした感じです。
この頁、「罷出」が3回、「候ハヽ」が5回も繰り返し出てきてます。1つの頁で今まではこのようなことはありませんでした。
「そくない」、損なう、だとおもいます。
「被仰付候」、「候」は「、」
「萬一」、このまま覚えるのがよさそう。
「御尋等」、「尋」がわかりずらい。
0 件のコメント:
コメントを投稿