P.185 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
者多゛し二而経 文 を唱 ひ、
はだ しにてきょうもんをとない
六日 一日 其外其外 二日 都合 九日
むいかいちにちそのほかそのほかふつかつごうここのか
喰 事不致 候 趣 行 之砌 下拙
しょくじいたさずそうろうおもむきぎょうのみぎりげせつ
先 生 送 り参 り見届 ヶ候 処
せんせいおくりまいりみとどけそうろうところ
青 く相 成 寝帝居 候 処 へ先 生
あおくあいなりねておりそうろうところへせんせい
被帰 候 様 下拙 申 候 處 起 上 り一 礼
かえられそうろうようげせつもうしそうろうところおきあがりいちれい
被述 其 時 壁 ゟ 古うせんの粉
のべられそのときかべよりこうせんのこな
こ本゛連有之 候 を見帝先 生
こぼ れこれありそうろうをみてせんせい
被申候 五穀 古本゛連有之 五穀 ヲ
もうされそうろうごこくこぼ れこれありごこくを
ケ様 二致 し候而ハ 行 も何 程 以多し候 共
かようにいたしそうらいてはぎょうもなにほどいたしそうろうとも
無益 之事 日立 候ハヽ 暇 遣 し
むえきのことひたちそうらわばひまつぶし
(候間)
そうろうあいだ
(大意)
裸足で経文を唱え
6日と1日、その他に2日合わせて都合9日
食事をしていなかったようであります。行を行うときにわたくしが
先生を送り見届けて来ました。そこで
青い顔で横になっているところへ、先生に
帰るようにわたくしが申し上げたところ、起き上がり一礼して
述べられました。そのときに壁より光線の粉が
表れる出るのをみて、先生が
申されました。後光が表れる出ている。後光が
かように射してしまっては行をどんなにつんだとしても
無駄なことである。日が経ってしまえばただの暇つぶし
(なので)
(補足)
「五穀」(ごこく)を勝手に「後光」(ごこう)と読み替えました。五穀ではなんとも意味が通じません。フィクションにしてしまったかもしれませんが、埃が立ち込めるボロ小屋の中で隙間から光がさしこみ、それが後光のように光の筋になって見えた。そのような情景を想像するとこのあたりの文章がしっくりきます。
まぁ、はずれていたら笑って下さい。
わたしの高校のときの古文の訳の試験は、満点か零点でした。
満点のときは花丸がくるくるくるっと、零点のときは赤鉛筆でFictionと大書きされてました。
「二日」、この部分だけを見ると、一文字に見えてしまい何の字かとおもいますが、上下の文章のつながりから二日とわかります。
「行」の偏「彳」が潰れてます。なぜか同じように終わりから2行目中程もそう。
「帝」(て)、変体仮名。
「壁」、この漢字はこことこの後の壁宗吉として2箇所のみです。
「粉」=「米」+「分」。「分」のくずし字は「彡」+「、」
「こ本゛連有之候を見帝」、「五穀古本゛連有之」、変体仮名が続きます。
「益」、「無益」や「ご利益」と頻出です。くずしていると「貢」のようにみえます。
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