P.187 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
行 之者 ハ昼 四ツ雲 一 天 も
ぎょうのものはひるよつくもいってんも
無之 折 柄 夫 江向 江祈 茶 王ん江
これなくおりがらそれへむかへいのりちゃわんへ
水 ヲ請 其 水 二而飯 ヲたき
みずをうけそのみずにてめしをたき
進(志んぜ)度 候 二付 下 名栗 二而五人 上 名栗 二而
しんぜ たくそうろうにつきしもなぐりにてごにんかみなぐりにて
三 人 招 キ候 様 御噺 し下 名栗 者
さんにんまねきそうろうようおはなししもなぐりは
両 名主 栄 助 駒 吉 壁 宗 吉 〆 五人
りょうなぬしえいすけこまきちかべそうきちしめてごにん
上 名栗 ハ村 境 之事 ゆへ世話二も相 成
かみなぐりはむらざかいのことゆへせわにもあいなり
候 故 両 名主 小殿 〆 三 人 と駒 吉 噺 し以多し候
そうろうゆへりょうなぬしこどのしめてさんにんとこまきちはなしいたしそうろう
壁 宗 吉 二者其 水 二而飯 ヲた可せ申 候 様 噺し
かべそうきちにはそのみずにてめしをたかせもうしそうろうようはなし
まじない之事 稀代 病 人
まじないのこときたいびょうにん
全 快 次第 迄 噺し 申 候
ぜんかいしだいまではなしもうしそうろう
(大意)
行の者が昼10時空に雲
ひとつなく、天に向かって祈り、茶碗へ
水を受け、その水で飯を炊き
差し上げたくとのことで、下名栗村より5人、上名栗村より
3人招きたいとのおはなしでした。下名栗村からは
両名主栄助駒吉壁宗吉合わせて5人、
上名栗村からは村境のため世話にもなって
いるので、両名主小殿合わせて3人であったと駒吉が話していました。
壁宗吉にはその水で飯を炊くようにとのおはなしでした。
(病気平癒の)祈り願い事は不思議なことに病人が
全快したとのお話でした。
(補足)
変事出来ニ付心得覚記の最終頁です。
この覚記にふさわしい話なのかどうか、この一連の話の前に数頁の空白があったので、この話はおまけ程度のつもりで、まぁ変事があって数年後村の近くでこんなことがあったよというくらいのお噺申候のような気がします。
「昼」、「尺」が「冖」のようになります。
「向」、簡単な漢字ですが難しい。
「茶王ん」、じっと見つめてようやく読めました。
「水」、楷書です。ところが終わりから3行目小文字の「其水ニ而」のところでは、難しいくずし字になってます。
「まじない」以下がよくわからなかったのですが、フィクションでまとめました。
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