2019年11月14日木曜日

桴出入諸願書井相手方詫書等写 その46




 P.28 4行目〜最後まで「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」

(読み)
附 置 候   所  今 般 右 保兵衛 ゟ 事実 引 違
つけおきそうろうところこんぱんみぎやすべえよりじじつひきちがい

私   共 一 同 條  物 携   番 小家又 者桴  切 流 シ番 人
わたくしどもいちどうじょうぶつたずさえばんごやまたはいかだきりながしばんにん

及打擲二      剰    右 桴  十  三 艘 之外 川 上 ゟ 追々
ちょうちゃくにおよびあまつさえみぎいかだじゅうさんそうのほかかわかみよりおいおい



(大意)
付けて置きましたところ、このたび保兵衛より事実とは異なり
われわれ一同が鎌や鳶口など武器を携え番小屋を襲いまたは筏を切り流し、番人を
打ち据え、あろうことか筏13艘のほか川上より次々に


(補足)
「條物」、調べましたが見つかりません。きっと「得物」の間違いかもしれません。
「剰」(あまつさえ)、漢字一文字で送り仮名もないのですが・・・

 保兵衛さんが訴え出た内容とは、あまりに異なった事実が述べらています。
保兵衛さん方によほど腹に据えかねることが何かあったのでしょうか。


2019年11月13日水曜日

桴出入諸願書井相手方詫書等写 その45




 P.28 3行目まで。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」

(読み)
御奉行  所 様 へ御差 出 二相 成 候   所  相 手無之
おぶぎょうしょさまへおさしだしにあいなりそうろうところあいてこれなく

御訴   二付 不及御沙汰二  旨 二而訴   書 御下 ニ相 成 候   間
おうったえにつきおさたにおよばずむねにてうったえしょおさげにあいなりそうろうあいだ

無是非 帰村 仕    桴  之儀昼  夜番 無怠    番 人
ぜひなくきそんつかまつりいかだのぎちゅうやばんおこたりなくばんにん


(大意)
御奉行所へ差し出しました。ところが相手がいない
訴えのため裁定することはできないとのことで訴えは取り下げられてしまいました。そのため
仕方なく村へ帰り筏には昼夜怠りなく番人を


(補足)
 吾野村4ヶ村よりの訴えられる前に、戸口村ではお奉行所へ訴え出ていたのでした。しかし相手方の名前や住所が不明だったために門前払いされてしまいました。名前住所を調べることなどそれほど難しいことではなく、ましてや筏の川下りをするような業者は限られてますから、なぜ調査しなかったか疑問です。

「沙汰」を辞書で調べて小ネタを仕入れました。「沙」は砂で「汰」は選び分ける意味。水中でゆすって、砂を捨て米や砂金を選び分ける意味とありました。

1,2行目「御奉行所様」から始まって、やたらと「御」を付けまくってます。返答書なのでとにかく畏(かしこ)まっているのかもしれません。



2019年11月12日火曜日

桴出入諸願書井相手方詫書等写 その44




 P.27 4行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」

(読み)
得共    荷主 ゟ 断 有之  候   間  難受取    段 申之 是以    名
そうらえどもにぬしよりだんこれありそうろうあいだうけとりがたきだんもうしここをもちてな

住  所 等 不申聞    取 斗   方 二差 支  候   間  無是非 同月
じゅうしょとうもうしきかせずとりはからいがたにさしつかえそうろうあいだぜひなくどうげつ

前 書 之趣   逸々  地頭 所 へ相 届 ケ則 当
ぜんしょのおもむきいちいちじとうしょへあいとどけそくとう


(大意)
荷主より(訴状に対する御奉行所の)判断があるので受け取ることはできないと言い、このようなわけで
名前住所なども教えてもらえずどのように取り計らってよいかわからないので、やむを得ず同月
前述いたしましたとおりすべてを地頭所へ届けるとの同時に



(補足)
 返答書の中で相手の訴えに対してひとつひとつ箇条書きにして反論すれば、わかりやすいとおもうのですが、「〜候間」、「〜候所」、「〜候上ハ」、「〜二而」などひたすらめんめんと述べ続けます。
息つく暇もありません。

「断」、悩みましたが大意のようにしました。
「受取」、どうしてこんなに「取」が小さいのか?
「是以」(ここをもちて)、いろいろ細かい理由などを述べてきて、最後に「このようなわけで」こうしたのです。というような感じで使うようです。
「逸々」(いちいち)。ひとつひとつ、すべて。
「地頭所」、前回にも述べましたが、「頭」の豆偏のくずし字が「断」の偏のくずし字とそっくり。
「当」のあとが空白です。次の語句が次頁「御奉行所様」なので敬意を表すための平出という文章作法です。

2019年11月11日月曜日

桴出入諸願書井相手方詫書等写 その43




 P.27 3行目まで。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」

(読み)
尋  候   所  難申聞      旨 申之 然  上 ハ私   共 性名書之儀
たずねそうろうところもうしきかせがたくむねもうししかるうえはわたくしどもせいめいしょのぎ

難差出    旨 申  断   候   所  其 侭 取 帰  候   間  最早 乗
さしだしがたくむねもうしことわりそうろうところそのままとりかえりそうろうあいだもはやのり

下ケ候   桴  乗 子之者 共 引 取 呉 候   様 再 應 掛 合 候(得共)
さげそうろういかだのりこのものどもひきとりくれそうろうようさいおうかけあいそうらえども


(大意)
尋ねたところ教えられないと言われ、それではわれわれの姓名書についても
差し出すことはできないと述べ断ったところ、そのまま帰ってしまいました。すでに乗り
下げられてきてしまった筏と乗子の者たちを引き取ってくれるよう再度要求しても


(補足)
「侭」、よくみるとちゃんと「尺」+「丶」ふたつ になってます。
「断」、偏のくずし字が「頭」の「豆」偏に似ています。
「再應」、再度、再三。

「再應掛合候得共」、筏の荷主たちは自分たちの名前さえ明かさずに、戸口村の姓名書を出せと一方的です。
ここまで読みすすめただけでも、加害者は筏荷主、被害者は戸口村で、その加害者が被害者を訴えてやるとすごんいるのですから、イチャモンをつけているのと同じです。


2019年11月10日日曜日

桴出入諸願書井相手方詫書等写 その42




 P.26 4行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」

(読み)
者川 下ケ難相成    杯 申之 水 際 防  二差 支  候   間
はかわさげあいなりがたくなどもうしみずぎわふせぎにさしつかえそうろうあいだ

乍迷惑    川 下ケ致 番  人 等 迄 附 置 候   を右 躰
めいわくながらかわさげいたしばんにんとうまでつけおきそうろうをみぎてい

之掛 合 を受 候   義難心得    右 之者 共 へも名住  所 相
のかけあいをうけそうろうぎこころえがたくみぎのものどもへもなじゅうしょあい




(大意)
川下げできないなどと申しました。水際を防ぐのに差し支えるので
迷惑ながら川下げをして番人などまでも付けておいたのに、このような
話し合いになってしまっていることは受け入れられることではありません。これら(荷主)の者たちへも名前住所を


(補足)
「乍」のくずし字ははいつみても特徴的です。
「受」、「又」がほとんどをしめ、冠部分はちょこっとあるだけ。

 ますます戸口村側のいきどおりがメラメラと燃え上がります。


2019年11月9日土曜日

桴出入諸願書井相手方詫書等写 その41




 P.26 3行目まで。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」

(読み)
訴候   間  性 名 書 相 渡  候   様 申之 二付 案 外 二而
そそうろうあいだせいめいしょあいわたしそうろうようもうしにつきあんがいにて

畢 竟  先 方 二而前 書 堤  急  場之所  相 弁  へ候   上 ハ
ひっきょうせんぽうにてぜんしょつつみきゅうばのところあいわきまえそうろううえは

早々  差 支  無之  様 乗 下ケ可然   所  掛 合 候   而も夜分
そうそうさしつかえこれなくようのりさげしかるべきところかけあいそうろうてもやぶん


(大意)
というので姓名書を渡すよう申し付けられたことは予想外のことでした。
つまり相手方が前述堤防の応急修理について現況をわかってくれれば
すぐにでも差し支えないよう筏を乗り下げてくれるのが当然であろうと理解を求めても、夜は


(補足)
「相渡」、基本的な「渡」が難しい。
「案外」、予想外としましたが、無礼としてもよいでしょう。

 戸口村のじれったさと、筏荷主の態度が心外でジリジリしているのが伝わってきます。



2019年11月8日金曜日

桴出入諸願書井相手方詫書等写 その40




 P.25 4行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」

(読み)
当 村 地内 差 障  無之  場所 へ繋  畄 番 人 附 置 候   所
とうそうちないさしさわりこれなくばしょへつなぎとめばんにんつけおきそうろうところ

同 十  五日 右 桴  荷主 之由 二而四人 当 村 へ罷  越
どうじゅうごにちみぎいかだにぬしのよしにてよにんとうそんへまかりこし

理不尽 二桴  川 下ケ候   而者難捨置    相手取  被及出
りふじんにいかだかわさげそうらいてはすておきがたくあいてどりしゅっそおよばされ


(大意)
当村地内の差し障りのない場所へ繋ぎ留め番人をつけました。
同15日にこれら筏の荷主であるという4人が当村へやってきて、
理不尽に筏川下げされては無視することはできずあなた方を訴え出る


(補足)
 戸口村では田畑を守り水防のため、やむなく筏を移動し番人までつけておきましたが、
筏の荷主たちがそれらの行為を「理不尽二桴川下ケ候而者難捨置」として、訴えるというわけです。

 第3者が見ても、筏側がよその村で断りもなく勝手なことをして、村として緊急避難的にしたことに難癖をつけている筏側が非難をあびること確実ではないでしょうか。

「相手取被及出/訴候間」、「出訴」が頁をまたいでいるので困りました。