2019年11月12日火曜日

桴出入諸願書井相手方詫書等写 その44




 P.27 4行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」

(読み)
得共    荷主 ゟ 断 有之  候   間  難受取    段 申之 是以    名
そうらえどもにぬしよりだんこれありそうろうあいだうけとりがたきだんもうしここをもちてな

住  所 等 不申聞    取 斗   方 二差 支  候   間  無是非 同月
じゅうしょとうもうしきかせずとりはからいがたにさしつかえそうろうあいだぜひなくどうげつ

前 書 之趣   逸々  地頭 所 へ相 届 ケ則 当
ぜんしょのおもむきいちいちじとうしょへあいとどけそくとう


(大意)
荷主より(訴状に対する御奉行所の)判断があるので受け取ることはできないと言い、このようなわけで
名前住所なども教えてもらえずどのように取り計らってよいかわからないので、やむを得ず同月
前述いたしましたとおりすべてを地頭所へ届けるとの同時に



(補足)
 返答書の中で相手の訴えに対してひとつひとつ箇条書きにして反論すれば、わかりやすいとおもうのですが、「〜候間」、「〜候所」、「〜候上ハ」、「〜二而」などひたすらめんめんと述べ続けます。
息つく暇もありません。

「断」、悩みましたが大意のようにしました。
「受取」、どうしてこんなに「取」が小さいのか?
「是以」(ここをもちて)、いろいろ細かい理由などを述べてきて、最後に「このようなわけで」こうしたのです。というような感じで使うようです。
「逸々」(いちいち)。ひとつひとつ、すべて。
「地頭所」、前回にも述べましたが、「頭」の豆偏のくずし字が「断」の偏のくずし字とそっくり。
「当」のあとが空白です。次の語句が次頁「御奉行所様」なので敬意を表すための平出という文章作法です。

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