P.29 3行目まで。「飯能市立博物館所蔵淺海公介家55号文書」
(読み)
乗 下ケ候 桴 をも差 畄 杯 無跡形 儀書 餝り 奉
のりさげそうろういかだをもさしとめなどあとかたなくぎかきかざり
出 訴 候得共 逸々 相 違 二而既 二其 節 番 小家杯
しゅっそたてまつりそうらえどもいついつあいちがいにてすでにそのせつばんごやなど
与申 者 無御座 候 間 可打擲 様 無之 候 猶 当村
ともうすものござなくそうろうあいだちょうちゃくべきさまこれなくそうろうなおとうそん
(大意)
乗り下げてきた筏をも差し止めたなど根拠もないことを書き連ね
訴えておりますがすべて違っております。(訴え書がだされた)そのときには既に番小屋など
というものはなかったので、打擲するようなことができようもありません。なお当村
(補足)
「杯」(など)、「等」とともに頻出。
「無跡形」、3文字セットで読める。「跡」一文字だったら悩みます。意味も現在では使われない言い回しになってます。
「餝り」(かざり)、見たこともない漢字です。「飾」の異体字とありました。
「与申者」(ともうすもの)、この「者」は「物」でしょう。助詞の「は」ならちいさくくずし字のはず。
古文書を読んでいると、時制が現在の文章や文法に比べると不明確です。
しかし、2行目から3行目は時系列がとても明確に記されています。
既に、訴え書が出されたときには、番小屋はなかったので、その番小屋にいるはずの者共を、打擲しようにもすることはできなかった、と鮮やかです。
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