P15 東京都立中央図書館蔵
他の黄表紙
(読み)
於とこを
おとこを
とめて
とめて
於き
おき
くさつ
くさっ
て又
てまた
於まへ
おまえ
さんも
さんも
於まへさん多゛
おまえさんだ
あい
あい
そう
そう
奈すつ
なすっ
多可゛
たが
いゝの
いいの
さと
さと
まづ
まづ
こゝ
ここ
ぎり二
ぎりに
志やせ う
しやしょう
者づ可しいこつ多可゛うまれて可ら者じめて
はずかしいこったが うまれてからはじめて
やきもちをや可れてミるどふもいへねへこゝろ
やきもちをやかれてみるどうもいえねぇこころ
もち多゛
もちだ
もちつとやいて
もちっとやいて
くれ多らてめへ
くれたらてめえ
可゛ね多゛つ多八 丈
が ねだ ったはちじょう
と志満ちりめん
としまちりめん
を可つてやらふ
をかってやろう
もちつと
もちっと
多のむ
たのむ
\/
もちっとたのむ
このあとハ
このあとは
八 丈 としま
はちじょうとしま
ちり可゛
ちりが
きてのことさ
きてのことさ
(大意)
妾「男を泊めくさって。またおまえさんもおまえさんだ。はいはい、好きなようにするがいいのさ。まずはこのくらいにしておきやしょう」
艶二郎「恥ずかしいこったが、生まれてからはじめて焼きもちを焼かれた。なんとも言えねぇ気分だ。もちっとやいてくれたら、てめえがねだった八丈と縞縮緬を買ってやろう。もちっとたのむ、もちっとたのむ」
妾「このつづきは八丈と縞ちりが手に入ってからのことさ」
(補足)
やきもちの「もち」に引っ掛けて、こころ「もち」だ、「もち」っと、と洒落ています。
左の立派な衣裳箪笥(普通は豪華な桐の箪笥になるはずですけど、金庫並みに頑丈一点張り)、ここに八丈と縞縮緬がおさまるわけ。
艶二郎、首に襟巻きのようなものをしているように見えますが、色男ぶったおしゃれか?
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