2024年9月17日火曜日

江戸生艶氣樺焼 その27

P15 東京都立中央図書館蔵

他の黄表紙

(読み)

於とこを

おとこを


とめて

とめて


於き

おき


くさつ

くさっ


て又

てまた


於まへ

おまえ


さんも

さんも


於まへさん多゛

おまえさんだ


あい

あい


そう

そう


奈すつ

なすっ


多可゛

たが


いゝの

いいの


さと

さと


まづ

まづ


こゝ

ここ


ぎり二

ぎりに


志やせ う

しやしょう


者づ可しいこつ多可゛うまれて可ら者じめて

はずかしいこったが うまれてからはじめて


やきもちをや可れてミるどふもいへねへこゝろ

やきもちをやかれてみるどうもいえねぇこころ


もち多゛

もちだ


もちつとやいて

もちっとやいて


くれ多らてめへ

くれたらてめえ


可゛ね多゛つ多八 丈

が ねだ ったはちじょう


と志満ちりめん

としまちりめん


を可つてやらふ

をかってやろう


もちつと

もちっと


多のむ

たのむ


\/

もちっとたのむ


このあとハ

このあとは


八 丈  としま

はちじょうとしま


ちり可゛

ちりが


きてのことさ

きてのことさ

(大意)

妾「男を泊めくさって。またおまえさんもおまえさんだ。はいはい、好きなようにするがいいのさ。まずはこのくらいにしておきやしょう」

艶二郎「恥ずかしいこったが、生まれてからはじめて焼きもちを焼かれた。なんとも言えねぇ気分だ。もちっとやいてくれたら、てめえがねだった八丈と縞縮緬を買ってやろう。もちっとたのむ、もちっとたのむ」

妾「このつづきは八丈と縞ちりが手に入ってからのことさ」

(補足)

 やきもちの「もち」に引っ掛けて、こころ「もち」だ、「もち」っと、と洒落ています。

左の立派な衣裳箪笥(普通は豪華な桐の箪笥になるはずですけど、金庫並みに頑丈一点張り)、ここに八丈と縞縮緬がおさまるわけ。

 艶二郎、首に襟巻きのようなものをしているように見えますが、色男ぶったおしゃれか?


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