P16P17 東京都立中央図書館蔵
P16
(読み)
とんだいそぐね本年ハ
とんだいそぐねほねは
志げ本年二して可王ゝ
しげぼねにしてかわは
本んぬり二志んち うの
ほんぬりにしんちゅうの
可奈ものいくら可ゝつても
かなものいくらかかっても
いゝ
いい
可ら
から
春゛い
ず い
ぶん
ぶん
里つ
りっ
者゜尓
ぱ に
志てへ
してへ
の
の
P17
ちとき う二ハでき可年ます
ちときゅうにはできかねます
このあい多゛ハよし王らの
このあいだ はよしわらの
さくらのちやうちん
さくらのちょうちん
をい多して於ります
をいたしております
(大意)
喜之介「大至急で、骨は繁骨(しげぼね)にして、側は本塗りの漆にして真鍮の金物、いくらかかってもいいから、できるだけ立派にしてほしいのぉ」
提灯屋「ちょっと急にはできかねます。この頃は吉原の桜の提灯をいたしております」
(補足)
「志げ本年」、『しげぼね【繁骨】② 提灯(ちようちん)の骨の目の細かいもの』
「このあい多゛」、『② このごろ。近頃。このじゅう。「―は不掃除なによつて,お目にかくることはなるまい」〈狂言・萩大名•虎寛本〉』
「よし王らのさくらのちやうちん」、吉原名物夜桜の催しのときの提灯。軒下の提灯がそのときのもののよう。またこの桜は中の町の通りに二月下旬に移植し、三月三日を花開きとして夜桜を宣伝し、花が散ると撤去した。この桜の様子の浮世絵などはたくさん残されていますが、これもそのひとつ。
一番左側に(桜?の)盆栽があって、小さな石灯籠や飾り石もあります。
この縁台もこれまた手が込んでいて角は錺金物。また家側のところだけ支えがつけられています。
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