2024年9月20日金曜日

江戸生艶氣樺焼 その30

P16P17 東京都立中央図書館蔵

P16

(読み)

とんだいそぐね本年ハ

とんだいそぐねほねは


志げ本年二して可王ゝ

しげぼねにしてかわは


本んぬり二志んち うの

ほんぬりにしんちゅうの


可奈ものいくら可ゝつても

かなものいくらかかっても


いゝ

いい


可ら

から


春゛い

ず い


ぶん

ぶん


里つ

りっ


者゜尓

ぱ に


志てへ

してへ



P17

ちとき う二ハでき可年ます

ちときゅうにはできかねます


このあい多゛ハよし王らの

このあいだ はよしわらの


さくらのちやうちん

さくらのちょうちん


をい多して於ります

をいたしております

(大意)

喜之介「大至急で、骨は繁骨(しげぼね)にして、側は本塗りの漆にして真鍮の金物、いくらかかってもいいから、できるだけ立派にしてほしいのぉ」

提灯屋「ちょっと急にはできかねます。この頃は吉原の桜の提灯をいたしております」

(補足)

「志げ本年」、『しげぼね【繁骨】② 提灯(ちようちん)の骨の目の細かいもの』

「このあい多゛」、『② このごろ。近頃。このじゅう。「―は不掃除なによつて,お目にかくることはなるまい」〈狂言・萩大名•虎寛本〉』

「よし王らのさくらのちやうちん」、吉原名物夜桜の催しのときの提灯。軒下の提灯がそのときのもののよう。またこの桜は中の町の通りに二月下旬に移植し、三月三日を花開きとして夜桜を宣伝し、花が散ると撤去した。この桜の様子の浮世絵などはたくさん残されていますが、これもそのひとつ。

 一番左側に(桜?の)盆栽があって、小さな石灯籠や飾り石もあります。

この縁台もこれまた手が込んでいて角は錺金物。また家側のところだけ支えがつけられています。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿