2024年9月15日日曜日

江戸生艶氣樺焼 その25

P14 東京都立中央図書館蔵

(読み)

志んぞう

しんぞう


可ぶろハ

かぶろは


人 形

にんぎょう



もらふ

もらう


やくそく

やくそく


尓て

にて


む多゛を

むだ を


いゝ\/

いいいい


ひき

ひき


ずつて

ずって


ゆく

ゆく


これさまア

これさまあ


者奈してくれろ

はなしてくれろ


こうひき徒゛ら連て行 所  ハ

こうひきづ られてゆくところは


とん多゛ぐ王いぶん可゛いゝ

とんだ が いぶんが いい

(大意)

 新造、禿は人形をもらう約束で、無駄口を言いながら引きずってゆく。

艶二郎「これさ、まぁ、はなしてくれろ、こうして引きづられて行くところは、なんとも外聞がいい」

(補足)

「ひき徒゛ら連て行」、「行」のくずし字は頻出。「ヽ」+「り」のようなかたち。

 新造(はどこかがむしゃらといった感じ)と禿二人が艶二郎を引きずってゆく力の入れ具合や着物のみだれ、からだの動きが実写のように描かれていてとても上手です。

 艶二郎は頭巾をわざわざかぶってよりそれらしく演じ、普通なら大門付近でこんなことをされたら外聞悪くみっともなく恥ずかしいが、ニヤケ顔の艶二郎はご満悦。

 そばに、「中」とかかれた提灯を持つ男がいるのは、このあと提灯屋のはなしの伏線です。

 

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