P10 東京都立中央図書館蔵
(読み)
モシおいらん於まへをバ
もしおいらんおまえをば
せけんで
せけんで
とん多゛てのある
とんだ てのある
女 郎 多と
じょろうだと
申 ます
もうします
大 こくやじやア
だいこくやじゃぁ
ねへ可゛
ねえが
奈んでも
なんでも
女 郎 衆 の
じょろうしゅうの
そう
そう
ろく
ろく
多゛ね
だ ね
ちやを
ちゃを
いゝ
いい
奈んすな
なんすな
お可゛
おが
ミんす
みんす
尓へ
にえ
(大意)
志庵「もし、おいらん。世間ではとても人気のある女郎だと申されています」
喜之介「大黒屋じゃねぇが、どうやらまるで女郎衆の元締めだね」
浮名「いいかげんなことをいいなんすな。頼むからやめてくださいねぇ」
(補足)
「大こくや」、大黒屋惣六。墨河とならぶ幅ききで吉原芸者の検番を創設した。
「そうろく」、盲人の総元締めの官名で、本所に惣録屋敷がある。それを検番の主の惣六に掛けて、女郎の総元締め、手練手管の権威だとおだてた、とありました。
浮名の座り方、いつもそれに目がいってしまいます、立膝と横座りのあいだのような色っぽい座り方です。ここで正座じゃ白けてしまう。
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