P12P13 東京都立中央図書館蔵
P12
(読み)
於もへども多ゞまぶ尓奈らふと
おもえどもただまぶになろうと
いつてハむ可ふ可゛ふせ うち由へ
いってはむこうが ふしょうちゆえ
王るゐ志あん可゛名あて尓てうき奈を
わるいしあんが なあてにてうきなを
あけづめ尓志゛ぶんハ志んぞう可い尓て
あけづめにじ ぶんはしんぞうがいにて
あい於もいれ可年をつ可つて
あいおもいれかねをつかって
此 ふ志゛ゆう奈ところ可゛
このふじ ゆうなところが
尓つ本゜ん多゛とうれし可゛りけり
にっぽ んだ とうれしが りけり
(大意)
なやむのだが、ただ、間夫になろうとさそっても、向こうが不承知であるから、わるい志庵が浮名を指名してずっと揚げつめにして新造買いをして逢い、おもいきりたくさん金を使っている。このなんとも思い通りにならない感じが最高だと嬉しがっていた。
(補足)
「まぶ」、『まぶ【間夫】
③ 特に,遊女の情人。「白き手をいだして―をまねき」〈仮名草子・東海道名所記〉』
「名あて、『なあて【名宛て】
② 名ざし。特に,遊女を指名すること。「突出しの其日よりお前を客の―にして」〈浄瑠璃・ひらかな盛衰記〉』
「志んぞう可い」、『しんぞうがい ―ざうがひ 【新造買ひ】
② 江戸時代,通人・色男などの遊郭での遊び方の一つで,女郎と密会するため,その妹分にあたる新造を相手に呼ぶこと。「ああ―では,気がつまるぞ」〈洒落本・遊子方言〉』
「尓つ本゜ん」、この頃の流行り言葉で、日本一、最高。「金々先生」でも出てきました。
下のもう一枚の貼紙、これを上下ひっくり返すと、
となって、「ち者やふる卯月 八日盤 吉日与」(ちはやぶるうづき ようかは きちにちよ)となります。ネットに『江戸時代、卯月八日にかかわるちょっと変わった俗信があった。江戸の人びとは、台所や便所などに、「千早振(ちはやふ)る卯月八日は吉日(きちにち)よ、かみ下虫(さげむし)を成敗ぞする」と書いた紙を逆さにして貼り、ゴキブリやウジ虫などの虫除(むしよ)けの呪(まじな)いとしていた』とありました。
神棚に祀(まつ)っているのは便所の神様で男神と女神でしょうか。
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