2024年9月24日火曜日

江戸生艶氣樺焼 その34

P19 東京都立中央図書館蔵

(読み)

ゑん二郎 せ个んの

えんじろうせけんの


う王さするを

うわさするを


きく

きく



かね


もち


ゆへ

ゆえ


ミ奈

みな


よく

よく



する

する



いふ

いう


こと

こと



きゝ

きき


き う二

きゅうに


可年もち可゛

かねもちが


いや二奈り

いやになり


どふぞ

どうぞ


可んどうを

かんどうを


うけ多く

うけたく


於もひ

おもい


両  しん二

りょうしんに


ね可゛いけれども

ねが いけれども


ひとりむすこの

ひとりむすこの


ことゆへけつして

ことゆえけっして


奈らねどもよふ\/者ゝのとり奈し二て

ならねどもようようははのとりなしにて


七 十  五日 可間  の

しちじゅうごにちがあいだの


可んどう尓て日ぎり可゛

かんどうにてひぎりが


切レると早 \/うちへ

きれるとそうそううちへ


ひきとるとの事 也

ひきとるとのことなり

(大意)

 艶二郎は世間の噂を聞いてみると、金持ちは金があるので欲得でするということを聞き、急に金持ちがいやになって、どうしても勘当してほしくなり、両親に頼んだ。しかしひとり息子なので決してそのようなことはできぬが、やっとのこと母のとりなしで、七十五日の間の勘当で、期限がきたら早々に家へ引き取るとのことであった。

(補足)

 趣味の良さそうな金持ちの居室です。母親は立膝気味の横座り、父親は立膝とこのような座り方が普段の生活では当たり前だったようです。母親の鬢だけが念入りに彫られています。

 縁側の奥に見えるのは葉蘭(はらん)とものの本にはありましたが、万年青(おもと)にも見えます。障子の桟はちと手抜きのようであります。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿