P8 東京都立中央図書館
(読み)
このう王さ
このうわさ
さぞせ个んで
さぞせけんで
する多゛ろうと
するだ ろうと
於もひの本可
おもいのほか
と奈りでさへ
となりでさえ
志らぬゆへ
しらぬゆえ
者里あいぬけ可゛して
はりあいぬけが して
よミうりを多のミ
よみうりをたのみ
此 王けを者んこう二
このわけをはんこうに
をこして一 人まへ
をこしてひとりまえ
一 両 ツゝ尓てやとい
いちりょうずつにてやとい
ゑど中 をうらせる
えどじゅうをうらせる
(大意)
このうわさ、さぞ世間をにぎやかすだろうとおもったが、おもいのほか、隣近所でさえしらぬゆえ、期待がしぼんでしまった。ではと、読み売りをたのみ、このいきさつをかわら版一枚摺りにして、ひとり一両ずつでやとい、江戸中で売らせた。
(補足)
「一人まへ一両ツゝ」に「ツゝ」とありますから、もう一人いないといけはず。ふつうは二人連れ立って呼び歩き、ひとりが箸を両手に持ってならし、ひとりが摺り物を手にもって売った、とありました。
手ぬぐいを頬被りにして、こんな姿で実際に売っていたような気がします。
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