2024年9月2日月曜日

江戸生艶氣樺焼 その12

P8 東京都立中央図書館

(読み)

このう王さ

このうわさ


さぞせ个んで

さぞせけんで


する多゛ろうと

するだ ろうと


於もひの本可

おもいのほか


と奈りでさへ

となりでさえ


志らぬゆへ

しらぬゆえ


者里あいぬけ可゛して

はりあいぬけが して


よミうりを多のミ

よみうりをたのみ


此 王けを者んこう二

このわけをはんこうに


をこして一 人まへ

をこしてひとりまえ


一 両  ツゝ尓てやとい

いちりょうずつにてやとい


ゑど中  をうらせる

えどじゅうをうらせる

(大意)

 このうわさ、さぞ世間をにぎやかすだろうとおもったが、おもいのほか、隣近所でさえしらぬゆえ、期待がしぼんでしまった。ではと、読み売りをたのみ、このいきさつをかわら版一枚摺りにして、ひとり一両ずつでやとい、江戸中で売らせた。

(補足)

「一人まへ一両ツゝ」に「ツゝ」とありますから、もう一人いないといけはず。ふつうは二人連れ立って呼び歩き、ひとりが箸を両手に持ってならし、ひとりが摺り物を手にもって売った、とありました。

 手ぬぐいを頬被りにして、こんな姿で実際に売っていたような気がします。

 

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