2024年9月19日木曜日

江戸生艶氣樺焼 その29

P16P17 東京都立中央図書館蔵

P17

(読み)

中 やへハ

なかやへは


ちやうづ

ちょうず


てぬぐい

てぬぐい



あつらへ

あつらえ


これも

これも


ひよく

ひよく


もん

もん


尓て

にて


志よ\/

しょしょ


の者やり

のはやり


可゛ミへ

が みへ


春゛い

ず い


ぶん

ぶん


め二多つやう二

めにたつように


本うのうするこれも

ほうのうするこれも


よつ本゜どのい多こと也

よっぽ どのいたごとなり


もちろん何 のぐ王んも

もちろんなんのが んも


奈个れどもこのやう二奉 納 ものハ

なけれどもこのようにほうのうものは


奈る本どう王き奈さ多奈り

なるほどうわきなさたなり

(大意)

 中屋へは手水手拭いをあつらえ、これも比翼紋にしてあちこちにいらっしゃる神様へ、しっかり目立つように奉納した。これもずいぶんな出費となった。もちろん何の願もかけないのだが、このような奉納物はなるほど浮気な評判にはなった。

(補足)

「中や」、中屋は吉原遊廓に出入りの、田町の呉服屋とありました。

「ちやうづてぬぐい」、『【手水手拭い】寺社などで手や顔を洗い清める時に使う手拭い』

 軒下にぶら下がっている提灯、左側の長細いのは「ま川者やう多ひめ(松葉屋歌姫)」(「ひ」の上の文字は不明)、真ん中の下のは「傳」と読めて京傳自身、右側の上の「多」は遊女の名らしい、一番下は「みのや」とあって、これは江戸町一丁目の妓楼とありました。

 提灯の軒の上の屋根は瓦ではなく檜皮葺のように板を重ねての仕上げです。何から何まで凝ってます。

 

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