P19 東京都立中央図書館蔵
P19 書籍より
(読み)
父
ちち
のぞミとある
のぞみとある
可らぜひ可゛
からぜひが
奈い者やく
ないはやく
でゝうせろ
でてうせろ
これハ
これは
王可
わか
多゛ん奈
だ んな
の
の
お本゛し
おぼ し
めし
めし
志可る
しかる
遍゛うぞんじ
べ うぞんじ
ませぬ
ませぬ
ね可゛いのとふり
ねが いのとうり
御可んどうとやあり
ごかんどうとやあり
可゛多や\/ 四百 四ひやうの
が たやありがたやしひゃくしびょうの
やまいより
やまいより
可ねもち
かねもち
本ど
ほど
つらい
つらい
ものハ
ものは
奈いのさ
ないのさ
可わい
かわい
男 ハ
おとこは
奈ぜ
なぜ
金 持
かねもち
じや
じゃ
やら
やら
(大意)
父「そうしたいと望むなら仕方がない。早く出てうせろ」
番頭候兵衛「この若旦那のお考え、そうするのがよいとは存じませぬ」
艶二郎「お願いした通り、ご勘当とはありがたやありがたや。四百四病の病より金持ちほどつらいものはないのさ。〽かわいい男はなぜ金持ちじゃやら」
(補足)
「四百四ひやうのやまい」、諺「四百四病のやまいより貧ほどつらいものはなし」のもじり。
「可わい男ハ奈ぜ〜」という女心を唄う歌詞は当時世間一般によくしられていて、多くの歌謡にあらわれた、とありました。
番頭のセリフからもわかりますが、座り方も背筋をピンと伸ばして、真面目一筋、融通などききそうもありません。
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