2024年8月26日月曜日

江戸生艶氣樺焼 その5

P2P3 東京都立中央図書館

P3

(読み)

奈ごりのもミぢ・可りまくら

なごりのもみじ・かりまくら


なつごろも・者るのよ・あきのよ

なつごろも・はるのよ・あきのよ


ます可ゞミ・よ王の可年・お本゛ろ月

まずかがみ・よわのかね・おぼ ろづき


者る可゛すミ・ミ多゛れどり・おもひ川

はるが すみ・みだ れどり・おもいかわ


於ん奈さんぐう・げんぷく・まんぎく

おんなさんぐう・げんぷく・まんぎく


九月 可゛や・よしのぐさ・奈つの月

くがつが や・よしのぐさ・なつのつき


あけ可゛らす・むら可゛らす・あふぎ

あけが らす・むらが らす・あふぎ


者奈の可・者奈のゑん・のこるあつさ

はなのか・はなのえん・のこるあつさ


さしぐし・あいのやま・とけず・そめいと

さしぐし・あいのやま・とけず・そめいと


めいどのとり・こいざくら・あきの七 くさ

めいどのとり・こいざくら・あきのななくさ


ふ多つもじ・ひ多゛りもじ・王可こゝろ

ふたつもじ・ひだ りもじ・わがこころ


ゑとゆ可多・多ゝミざん

えどゆかた・たたみざん


ひとつミぞ

ひとつみぞ


こい者゛奈し

こいば なし


ま多゛いつくらも

まだ いつくらも


あれどちよつと

あれどちょっと


し多ところ可

したところが


このくらい奈

このくらいな


ものさアゝ

ものさあぁ


 口 可゛春く奈つ多

 くちが すくなった

(大意)

名残のもみぢ・かりまくら・夏ごろも・春の夜・秋の夜・ますかゞみ・夜半の鐘・

おぼろ月・春がすみ・みだれ鳥・思い川・女三宮・元服・万菊・九月がや・吉野ぐさ・

夏の月・明けがらす・村がらす・あふぎ・花の香・花の宴・残るあつさ・さし櫛・

あいの山・とけず・染め糸・冥土の鳥・恋ざくら・秋の七草・二つ文字・ひだり文字・

わが心・江戸ゆかた・たゝみ算・ひとつみぞ・恋ばなし、

まだいくらでもあるが、ちょっとしたところが、このくらいなものさ。

あぁ、同じようなことを何度も繰り返してくたびれた。

(補足)

 前回に続き、変体仮名読み演習問題2です。

「於ん奈さんぐう」、「によさんのみや」の間違いとありました。

 たいこ医者の羽織に薄紅色をさらに薄くしたような色がついています。前頁にも表紙にもありました。よく黄表紙にはいたずら書きや色を塗ったりしてあるものがありますけど、ここのはいたずらで塗ったのではなさそうな感じがします。羽織の後ろ側にも同じ色がみえますが、いたずらならこんなところには塗らないし、これは色移りでしょうかね。

さて・・・

 

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