2024年8月13日火曜日

金々先生栄華夢 その22

P13 国立国会図書館蔵

(読み)

せんせい多川ミの里 の

せんせいたつみのさとの


おま川゛といふいろ二者まり

おまづ といういろにはまり


まい日 あゆミを者こび金

まいにちあゆみをはこびきん


ぎんをおゝくつ可い

ぎんをおおくつかい


个れともおまづハ

けれどもおまづは


毛とよりつとめのならい二て

もとよりつとめのならいにて


お毛てむきハふ可くきん\/

おもてむきはふかくきんきん


せんせい尓者まり多る个しき尓

せんせいにはまりたるけしきに


見セ可け奈い志よ尓てハ源 四郎 と

みせかけないしょにてはげんしろうと


いろ尓て

いろにて


きん\/

きんきん


せんせい

せんせい


の目を

のめを


志のびて多のしみ个る

しのびてたのしみける

(大意)

 先生は辰巳の里のおまづという女郎に夢中になり

毎日足繁く通いつめ、金銀を多く使ったのだが、おまづは

もともとお勤めのつもりであったから、表向きは金々先生に

夢中になっているような仕草でみせかけ、ないしょで源四郎と

通じ、金々先生の目をぬすんで楽しんでいた。

(補足)

「おま川゛」、悪女を暗示した女郎の名前とありました。

「いろ」、深川は官許の遊里ではなく、いわゆる岡場所だったので女郎と区別して「いろ」としたとありました。

 女性の座り方は何度もふれてきましたが、おまづも右膝をを立てています。現在ではお行儀が悪いとされてますが、当時はごく普通の日常的な座り方であったようです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿