表紙 東京都立中央図書館
P1
(読み)
表紙
山東京傅作
上
江戸生 艶 気 樺 焼
ゑとむまれうハきの可者゛やき
えどうまれうわきのかば やき
通 油 町 徒多や
とおりあぶらちょう つたや
P1
こゝ尓
ここに
百 万 両
ひゃくまんりょう
ふ个゛んと
ぶげ んと
よ者゛
よば
れ多る
れたる
あ多゛
あだ
きや
きや
の
の
ひとり
ひとり
むすこ
むすこ
をゑん
をえん
二郎 とて
じろうとて
としも
としも
つゞや者多
つづやはた
ちといふころ
ちというころ
奈りし可ひん
なりしがひん
のやまひハく尓
のやまいはくに
奈らす保可の
ならずほかの
やまいの奈可れ
やまいのなかれ
可しといふミ奈れ
かしというみなれ
(大意)
表紙略
P1
ここに百万長者とよばれている仇気屋のひとり息子艶二郎は、歳は十九か二十というところであるが、「貧の病は苦にならずほかの病のなかれかし」という身の上であったが、
(補足)
「あ多゛きや」、気の変わりやすい、浮気な、の意味の屋号、とありました。
「つゞ」、『つづ ③〔「つづ(十)やはたち(二十)」の語形で用いられたことから誤解して〕一九歳。「―や廿歳(はたち)の娘では無し」〈鉄仮面•涙香〉』
「ひんのやまひ〜」、河東節の一節「灸すゑ」という曲の中の名文句とありました。「貧乏の苦しさほどつらい病はない」ということわざには縁がなく、ほかの病気の心配をしていればよいという境遇。
「保可の」、「ほ」はたいていが変体仮名「本」ですが、たまに「保」もでてきます。
奥の障子の格子の桟が、行灯の格子は丁寧に立体的に一本一本描いてあるのですが、やけに平面的でべったりです、手を抜いたわけではないでしょうけど。
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