P10 国立国会図書館蔵
(読み)
これハあり可多
これはありがた
山 のとんび
やまのとんび
可ら春これお
がらすこれを
毛川て
もって
个んぎやうに
けんぎょうに
奈り山 と
なりやまと
出可けやう
でかけよう
これハ
これは
きびしい
きびしい
さ川まやの
さつまやの
源 五兵へと
げんごべえと
きて居る
きている
とんと梅 可へ
とんとうめがえ
毛どき
もどき
あり可\/
ありかありか
(大意)
五市「これはありがた山のとんびカラス。これをもって検校になり山と出かけよう」
万八「これはすばらしい。薩摩屋の源五兵衛ときている。まったく梅が枝もどきじゃ梅が枝じゃ」
(補足)
「きびしい」、『② 大したものだ。素晴らしい。「鯛の浜焼に蛸の桜煮,これは―・しいお持たせぢやな」〈歌舞伎・五大力恋緘〉〔もともとク活用の語で,シク活用が生じたのは平安中期からかと思われる〕』
「さ川まやの源五兵へ」、薩摩源五兵衛は俚謡や踊り唄にさかんにうたわれ、最後は「薩摩の山の山は、宝の山とかや」でおわる。ここは、まるで宝の山に入ったようだの意。とありました。
「梅可へ毛どき」、「ひらかな盛衰記」の梅が枝そっくりだ。このBlogで何度も出てきています。男のために念じて手水鉢を柄杓でたたくと二階から小判がふってくる。
遊女かけのの前にいるのは付き人に相当する、禿(かむろ)or振袖新造でしょうか。振り袖の袂(たもと)の蝶々結びがかわいらしい。
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