2024年8月30日金曜日

江戸生艶氣樺焼 その9

P6P7 東京都立中央図書館

P6

(読み)

可奈いの

かないの


下女

げじょ


ども

ども


のぞき

のぞき


ミて

みて


おら可゛

おらが


王可

わか


多゛ん奈二

だ んなに


本れ

ほれ


るとハ

るとは


せんけ可

せんけか


こ里 う可

こりゅうか


ゑん

えん


志 う可

しゅうか


しらぬ可゛

しらぬが


とん多゛

とんだ


ちや

ちゃ


しん

じん


多゛と

だ と


さゝ

ささ


やく

やく

(大意)

 家内の下女たちがのぞき見て「おらが若旦那に惚れるとは、千家か古流か遠州かしらぬが、とんだ茶人だ」とささやく。

(補足)

「せんけ可こ里う可ゑん志う可」、どれも茶道の流派。

「ちやしん」、『ちゃじん【茶人】② 風流な人。また,浮き世ばなれのした,一風変わった人。ものずき』ですが、ここでは馬鹿にしてあざけっている。

 ここの見開きは、大団円ではないけどそのくらいの見せ場。

 障子のすき間からのぞき見る下女ふたり、障子に隠されたところを影絵のようにしています。また障子も腰板が見事な木目です。

 

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