2024年8月15日木曜日

金々先生栄華夢 その24

P14 国立国会図書館

(読み)

きん\/せんせい今 まてハ

きんきんせんせいいままでは


いさいを志ら春゛一 春じ尓

いさいをしらず ひとすじに


しん志つとお毛ひ者

しんじつとおもいは


まり个るかこんヤの

まりけるがこんやの


おま川゛可しうちと可く

おまづ がしうちとかく


可゛つてんゆ可ずと

が ってんゆかずと


お毛ひ大 きにいざ

おもいおおきにいざ


をおこしおま川゛とも

をおこしおまづ とも


きれてしまひ

きれてしまい


个り

けり

(大意)

 金々先生、今までは細かいことはしらず、一心に信じていた思いにひたりきっていたのだが、今夜のおまづの仕打ちはとても納得のできるものではなく、大暴れして不満をぶちまけ、おまづとの関係も切れてしまった。

(補足)

「いざ」、いざこざの略。

「お毛ひ」、変体仮名「毛」(も)はよくでてきます。平仮名「を」とちょっとにてますけど、前後の流れから読み間違えることはそれほどありません。「も」の2本の横棒と1本の縦棒が離れてしまったようなかたちで、「こ」+「と」のようでもあります。

 ポカン顔の先生、何が発端になったのか、とにかくおづまの仕打ちに気づき、怒り心頭、暴れまわって源四郎(おづまのいろ)と万八(門口で迎えたときとは違って厳しい表情)に押さえられ、お銚子から酒がこぼれてしまっています。取っ組み合っているものの、この三人の髷はとてもきれいです。

 前頁と同じ部屋のはずですが、なぜか襖の柄がことなっています。

 

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