2024年8月14日水曜日

金々先生栄華夢 その23

P13 国立国会図書館

(読み)

ちヤ屋の女  から言 尓てあい

ちゃやのおんなからことにてあい


春゛をしきん\/せんせひを

ず をしきんきんせんせいを


ちヤに春るところ

ちゃにするところ


げコンカシコロウサコンケガ

げ ん し ろうさ ん が


キコナカサカイコトよし可へ

き な さ い とよしかへ


イキマカ

い ま


ニイケク

にい く


コカクラ

 か ら


マコチケ

ま ち


ナコトイ

な とい


キツケテ

 つ て


クコンケナ

く ん な


よくいつ

よくいっ


てくん

てくん


袮へ

ねえ

(大意)

 茶屋の女は唐言で合図をし、金々先生をはぐらかしているところ。

茶屋の女「(源四郎さんが来なさいと)、わかりましたか」

おまづ「(いまに行くから待ちなといってくんな)、よろしくと言っておくれ」

(補足)

「から言」、『からこと 【唐言】②  →挿(はさ)み語(ことば)2に同じ。「茶屋の女―にて合図をし」〈黄表紙・金金先生栄花夢〉』。『はさみことば 4【挟み詞・挿み語】

② 江戸時代,明和(1764〜1772)頃に深川遊里から流行した言い方。言葉の中に種々の音節をはさみ,仲間以外の者には理解しにくいようにしたもの。言葉の各音節のあとに,それと同列のカ行音をはさむのが普通。「いやなひと」を「いキやカなカひキとコ」という類。また,どの音のあとにもキやシをはさむものなどもあった。のちには子供の遊びとなった。唐言(からこと)』

「ちヤに春る」、『茶に◦する② はぐらかして,相手にしない。まじめな受け答えをしない。「人の話を―◦しやあがる」〈当世書生気質•逍遥〉』

 ふすまをあけて金々先生が前にいるにもかかわらず、茶屋の女がおづまと唐言でやりとりをしている。これを「ちヤに春る」というわけ。当の先生は腹ばいになって酒をのみ、わけわからずポカン顔。

 

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