P13 国立国会図書館
(読み)
ちヤ屋の女 から言 尓てあい
ちゃやのおんなからことにてあい
春゛をしきん\/せんせひを
ず をしきんきんせんせいを
ちヤに春るところ
ちゃにするところ
げコンカシコロウサコンケガ
げ ん し ろうさ ん が
キコナカサカイコトよし可へ
き な さ い とよしかへ
イキマカ
い ま
ニイケク
にい く
コカクラ
か ら
マコチケ
ま ち
ナコトイ
な とい
キツケテ
つ て
クコンケナ
く ん な
よくいつ
よくいっ
てくん
てくん
袮へ
ねえ
(大意)
茶屋の女は唐言で合図をし、金々先生をはぐらかしているところ。
茶屋の女「(源四郎さんが来なさいと)、わかりましたか」
おまづ「(いまに行くから待ちなといってくんな)、よろしくと言っておくれ」
(補足)
「から言」、『からこと 【唐言】② →挿(はさ)み語(ことば)2に同じ。「茶屋の女―にて合図をし」〈黄表紙・金金先生栄花夢〉』。『はさみことば 4【挟み詞・挿み語】
② 江戸時代,明和(1764〜1772)頃に深川遊里から流行した言い方。言葉の中に種々の音節をはさみ,仲間以外の者には理解しにくいようにしたもの。言葉の各音節のあとに,それと同列のカ行音をはさむのが普通。「いやなひと」を「いキやカなカひキとコ」という類。また,どの音のあとにもキやシをはさむものなどもあった。のちには子供の遊びとなった。唐言(からこと)』
「ちヤに春る」、『茶に◦する② はぐらかして,相手にしない。まじめな受け答えをしない。「人の話を―◦しやあがる」〈当世書生気質•逍遥〉』
ふすまをあけて金々先生が前にいるにもかかわらず、茶屋の女がおづまと唐言でやりとりをしている。これを「ちヤに春る」というわけ。当の先生は腹ばいになって酒をのみ、わけわからずポカン顔。
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