P17 国立国会図書館
(読み)
きん\/せんせい日\/尓
きんきんせんせいひ びに
おごりちやうじいまハ
おごりちょうじいまは
しん多゛いも
しんだ いも
可うよと見へ
こうよとみえ
个れバちゝ
ければちち
ぶん春゛い
ぶんず い
大 きに
おおきに
い可
いか
里
り
手代 源 四郎 可春ゝ免にま可せ
てだいげんしろうがすすめにまかせ
きん\/せんせい可いるいを者き
きんきんせんせいがいるいをはき
む可しの春可゛多のまゝ尓ておひ
むかしのすが たのままにておい
い多゛し个る
いだ しける
手代 源 四郎 者じめハ
てだいげんしろうはじめは
きん\/せんせいを
きんきんせんせいを
そゝ奈かし
そそなかし
おゝく
おおく
金 ぎんおつ可王せ
きんぎんをつかわせ
そのあまりハ
そのあまりは
ミ奈王か
みなわが
手へ
てへ
く
く
春
す
袮
ね
个る
ける
よ川て
よって
毛のをぬ春
ものをぬす
む
む
ことお
ことを
个゛ん四郎 とハ申 也
げ んしろうとはもうすなり
アゝ
ああ
よい
よい
ざま
ざま
多゛
だ
(大意)
金々先生は日がたつにつれて浪費がひどくなり、身代も傾きはじめてしまったため、父の文ずいは大いに怒った。手代源四郎のいうとおりにして、金々先生の以前の衣類を着せ、昔の姿のままで追い出してしまった。
手代源四郎、最初は金々先生をそそのかして、多くの金銀を使わせ、そのおこぼれをすべて、自分のものとしてくすねていた。
よって、ものを盗むことを源四郎というようになった。
源四郎「あぁ、いいざまだ」
(補足)
文ずいは右手を突き出し金々先生を追い出し、手代源四郎は表情も憎々しげに鼻をふくらませてうしろ指を指している。
文ずいが左手にかかえている「金」印の入った衣類は、金兵衛を養子としたときの豪華なもの、もとの旅装束に着替えさせた。
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