P2P3 東京都立中央図書館
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(読み)
ふミのもんく尓ハ
ふみのもんくには
多゛いぶでんじ由の
だ いぶでんじゅの
あることさふうじ
あることさふうじ
めをつけぬと
めをつけぬと
ゑん可゛きれると
えんが きれると
申 やすふミの
もうしやすふみの
すへゝ於さ奈を
すへへおさなを
可くよふ二奈ると
かくようになると
むづ可しいね
むずかしいね
ひつさきめ尓
ひっさきめに
くち遍゛尓の
くちべ にの
ついてる
ついてる
のハ
のは
いつでも
いつでも
ぢものゝ
ぢものの
ふミでハ
ふみでは
ねへのさ
ねえのさ
どねへ尓
どねえに
志゛ミでも
じ みでも
ミゝの
みみの
王き二
わきに
まくら
まくら
多この
だこの
あるので
あるので
しやう者゛い
しょうば い
あ可゛りハ
あが りは
ソレ
それ
志゛き尓
じ きに
しれやす
しれや
(大意)
喜之介「女の恋の手紙には、たくさんややこしいしきたりがあるのさ。手紙の封をしないと縁が切れるといわれてます。手紙の最後に遊女が幼い頃の名前をかくようになると、やっかいなことになるね(商売をはなれた付き合いになり、こと面倒である)」
志庵「手紙の巻紙の切れ目に口紅がついているのは、こりゃぁ素人女のものではあるまいさ。どねえに素人っぽくしても、耳の脇に枕だこがあるから、商売あがりは、それ、じきにわかるってもんでやす」
(補足)
「ひつさきめ尓くち遍゛尓のついてる」、巻紙に手紙をしたためたあと、折り目をつけ口で湿らして裂くので、口紅がつく。それが色気をかもし出す。とありました。なるほどね。
「ミゝの王き二まくら多こ」、枕を頻繁に使うので耳の脇の皮膚がかたくなるという。
京伝の洒落本「通覧総籬(つうらんそうまがき)」にも、「髪の毛のうすいところと、耳の脇の枕だこにて、あらそはれず」とある。とありました。耳にたこができるとはよく使われますが、まくらたこなんて本当でしょうかねぇ。まぁ、当時の枕は髷がくずれぬようなごついものでしたから、たしかにはえ際あたりがこすれるでしょうから、なんらかの変化はあったかもしれませんけど・・・
喜之介の膝下にある煙管入れは流行最先端のものでしょうし、その脇の折り紙みたいなのは柄が入っていてこれまたおしゃれな懐紙みたいなものでしょうか。
屏風には英一蝶(はなぶさいっちょう)畫とあって、鍾馗様のような絵(巻紙の手紙をいっぱいにひろげて、読んでるところでしょうか)があります。
版心(和装本で,各丁の折り目に当たる所に記した書名・巻数・標題など)に「ゑどうまれ」と読めます。表題では「むまれ」とありました。
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