P15P16 国立国会図書館
P16
(読み)
〽きのふまでハきん\/せんせいと
きのうまではきんきんせんせいと
毛て者やされちよきヤよつ手二
もてはやされちょきやよつてに
のりし身可いまハ者川ち二ひより
のりしみがいまはぱっちににより
げ多か王れバか王る世の中 志゛や奈引
げたかわればかわるよのなかじ ゃな
アゝいま\/しい
あぁいまいましい
可ごの
かごの
し由こひかけて
しゅこいかけて
者ヤめましやうぞ
はやめましょうぞ
P15
ぎやうにお江戸ハ
ぎょうにおえどは
尓きやか多゛
にぎやかだ
(大意)
先生「きのうまでは金々先生ともてはやされ、猪牙(船)や四手(駕籠)にのっていた身であったのに、今はパッチ(姿)にひより下駄、〽かわればかわる世の中じゃなぁ〜。あぁ、いまいましい」
駕籠脇の付き人「駕籠の衆、声かけて急ぎましょうぞ」
右端の田舎侍「ずいぶんと江戸はにぎやかだ」
(補足)
「ひよりげ多」、『【《日和》 下駄】晴天の日にはくのに向いた,歯の低い差し歯の下駄』
「引」は何度かでてきていて、唄をのばす記号。
「こひかけて」、四手の駕籠かきは「エイホエイホ」と威勢の良い掛け声をかける。しかし「掛け声のない四ツ手にはぜげんつき」というのもあってなるほどね。
「ぎやうに」、たいそう、ひどくの意で田舎言葉。 右端の二本差(柄の部分は白い袋状のものでおおっている)は田舎侍のようで、品川の客は薩摩藩をはじめ、付近の藩邸は田舎侍の勤番が多かったとありました。頭に布をかぶり、身なりがどことなくいまひとつ。
江戸から品川に向かうときは左側(東側)は海で、駕籠の上には帆掛け船がひしめいています。
ところで、これは広重の江戸名所之内「新よし原日本堤ゑ毛ん坂」で、
四手駕籠が3台、日本堤の上から、えもん坂に入ろうとしているところ。
注目してほしいのは、左端の何かをかついで反対の方向に歩くひとりの男で、拡大してみると、
どうやら、吉原へ送った客をおろして、駕籠をたたんで?戻るところのようです。こんなふうに駕籠ってたためるもんなんでしょうか?
それともたたんだのではなく、もともとこのくらいの幅しかなかったのかも。
0 件のコメント:
コメントを投稿