2024年7月26日金曜日

金々先生栄華夢 その4

P1P2 国立国会図書館蔵

P1

(読み)

乃本うへと古ゝろざし个る可名

のほうへとこころざしけるがな


尓た可き目くろふどうそんハ

にたかきめぐろふどうそんは


うんの神 名れハこれへさ

うんのかみなればこれへさ


ん个いしてうんの本どを

んけいしてうんのほどを


いのらんともふで

いのらんともうで


个る可者や日も由ふ

けるがはやひもゆう


可多尓奈りいとくう

がたになりいとくう


ふくに奈り个れハ名代の あ王毛ちを

ふくになりければなだいのあわもちを


く王んと多ちよりける

くわんとたちよりける

(大意)

(まず江戸の方へと向かうことを決めた。しかし)

有名な目黒不動尊は(諸願成就の)運の神様であるから、ここを参詣して運のおこぼれを頂戴すべく祈るために詣でたが、はやくも日はかたむき夕方となり、ずいぶんと空腹になったので、評判の高い粟餅をくおうと立ち寄った。

(補足)

「名尓た可き」、「名」のくずし字は読み間違うことおおし。片仮名「タ」+平仮名「い」のようなかたち。

「目くろふどうそん」、現在の「目」は縦長ですが、当時の「目」はほとんどが正方形。道標「是より右目黒道」の「目」も真四角です。

 

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