P15 国文学研究資料館蔵
(読み)
あんのごとく
あんのごとく
ぬす人
ぬすびと
大 ぜい
おおぜい
者いりハ
はいりは
者いりし可゛
はいりしが
あまりの
あまりの
大 可゛年ゆへ
おおが ねゆへ
もち
もち
多゛す
だ す
くふうや
くふうや
尓ごしらへ二
にごしらへに
てまどり
てまどり
よも
よも
本の
ほの
\゛/と
ぼ のと
あけ
あけ
けれバ
ければ
とることハ
とることは
於ゐて
おいて
よそ
よそ
尓て
にて
ぬすミし
ぬすみし
金 者゛こ
かねば こ
いるい
いるい
どうぐ
どうぐ
までもつて
までもって
で尓く
でにく
く奈りしや
くなりしや
(大意)
案じていたとおりに、盗人が大勢入ることは入ったのだが、あまりの大金(おおがね)のため、持ち出す方法や荷ごしらえに手間取り、夜もほのぼのとあけてしまい、取ることはあきらめ、よそで盗んだ金箱・衣類・道具まで持って出にくくなってしまった。
(補足)
「よそ尓てぬすミし」、前頁P14の左下の「尓本ひを可き\/ぬすミ尓」の「ぬす」がかすれていてよくわかりませんでしたが、この頁の「ぬす」が同じようなかたちなので、P14のところは「ぬす」で間違いがなさそうです。
帰宅した萬々の障子にうつる姿の影が印象的です。そしてそれをみてあわてる盗人。当時のおおくの絵師たちが錦絵・浮世絵でこの影の手法を使用しています。
有名な葛飾応為「吉原格子先之図」です。
光と影が見事です。
0 件のコメント:
コメントを投稿