2024年7月21日日曜日

莫切自根金生木 その46

P27P28 国文学研究資料館蔵

(読み)

王しらハ御可げで

わしらはおかげで


可年もち二奈り

かねもちになり


まし多

ました


その

その


於ん

おん



王すれ

わすれ


させうとハ

させうとは


ふとい

ふとい


ひと多゛

ひとだ


御うけとり

おうけとり


奈されずハ

なされずば


こう遍ん二

こうへんに


い多して

いたして


御遍んさい

ごへんさい


申 す

もうす


P28

奈んでも

なんでも


うちへ

うちへ


ひき

ひき


徒゛つて

ず って


いつて

いって


金 を

かねを


ミ奈

みな


くゝし

くくし


付 る可゛

つけるが


いゝ

いい

(大意)

(借り手二)「わたしらはおかげで金持ちになりました。その恩を忘れさせようとは肝の太い人だ」

(借り手三)「お受け取りにならないのでしたら、表沙汰にしてご返済いたします」

(借り手四)「もう無理矢理にでも家へ引きずって行って、金を全部くくりつけるのが一番だ」

(補足)

「こう遍ん」、『こうへん【公辺】

② 表向き。表ざた。「―にいたして御返済申す」〈黄表紙・莫切自根金生木〉』

 左の頁、金を運ぶのに、手前は籠(かご)のようなつくりになっていて人が前後でかつぐようになっていますけど、重たすぎて無理なのでは。そのうしろは馬(たてがみが細かくきれい)がひいているようです。

 

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