2024年7月12日金曜日

莫切自根金生木 その37

P21P22 国文学研究資料館蔵

P21

(読み)

四百  四びやうのやまいより

しひゃくしびょうのやまいより


金(キン)本どつらい

  きん ほどつらい


ものハ奈い

ものはない


於れハマア

おれはまあ


どうし多

どうした


いんぐ王で

いんが で


このやう二

このように


金 二ゑん可゛

かねにえんが


ある可

あるか


あやまり

あやまり


いつ多

いった


ホンニ

ほんに


金 の

かねの


あるのハ

あるのは


くびの

くびの


ある二ハ

あるには


於とつ多

おとった


こと多゛

ことだ

(大意)

(萬々)「四百四病の病より金(きん)ほどつらいものはない。おれはまぁどうした因果で、このように金に縁があるのか、勘弁してくれ」

(手代)「ほんに、金のあるのは、首のあるに劣ったことだ」

(補足)

「四百四病より貧(ひん)ほど辛い物無し」(どんな病気より貧乏ほどつらいものはない)のもじり。ちゃんと金(きん)と貧(ひん)で韻をふんでいる。

「金のあるのハくびのある二ハ於とつ多こと多こと」、「金の無いのは首の無いのと同じ事」という言い回しをもじったものだろうけど、いまひとつです。

 絵師はかならず修行時代に松(並)をなんども練習するとおもいます。この松は松でも三保の松原の松。なので気合をいれたのか、幹の描き方も松の葉の一本一本、枝ぶりもうまい。

 

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