P19 国文学研究資料館蔵
(読み)
これハ
これは
ま多
また
とん多゛
とんだ
事 多゛
ことだ
あ可゛りめ可゛
あが りめが
ミへ多奈ら
みえたなら
うらず二
うらずに
於けバ
おけば
ヱゝ二
ええに
ま多於れ二
またおれに
ふさ可゛
ふさが
せる
せる
御もつ
ごもっ
ともで
ともで
ござります
ござります
れども
れども
さき\/
さきさき
可ら
から
金 二
かねに
い多
いた
して
して
つき
つき
つけます
つけます
可らい多し
からいたし
やう可゛
ようが
ござり
ござり
ませぬ
ませぬ
こ者゛ん
こば ん
多゛もの多゛
だ ものだ
こまつ多もの多゛
こまったものだ
ときこへる可
ときこえるか
(大意)
(萬々)「これはまたとんでもないことだ。値が上がりそうになるのがわかったなら、売らずにおけばよかったのに。また俺を憂鬱にさせる」
(手代)「ごもっともでござりますけれども、先方から金を積み上げて突きつけますので、どうしようもいたしかたありませぬ」
(萬々)「小判だものだ。困ったものだときこえるか」
(補足)
かすれていて読みづらいですが、前後のつながりからなんとか読むことができます。
手代の足先をみるとつま先立ちで、あわてて書状をもって萬々に届けた様子が伝わります。絵師の細かい気遣い筆使い。
萬々は胡座をかたむけて半分立膝、からだをのりだして書状に見入ります。座布団二枚でちっとも「ふさ可゛せる」なんてことはなさそう。
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