2024年7月8日月曜日

莫切自根金生木 その33

P19 国文学研究資料館蔵

(読み)

これハ

これは


ま多

また


とん多゛

とんだ


事 多゛

ことだ


あ可゛りめ可゛

あが りめが


ミへ多奈ら

みえたなら


うらず二

うらずに


於けバ

おけば


ヱゝ二

ええに


ま多於れ二

またおれに


ふさ可゛

ふさが


せる

せる


御もつ

ごもっ


ともで

ともで


ござります

ござります


れども

れども


さき\/

さきさき


可ら

から


金 二

かねに


い多

いた


して

して


つき

つき


つけます

つけます


可らい多し

からいたし


やう可゛

ようが


ござり

ござり


ませぬ

ませぬ


こ者゛ん

こば ん


多゛もの多゛

だ ものだ


こまつ多もの多゛

こまったものだ


ときこへる可

ときこえるか

(大意)

(萬々)「これはまたとんでもないことだ。値が上がりそうになるのがわかったなら、売らずにおけばよかったのに。また俺を憂鬱にさせる」

(手代)「ごもっともでござりますけれども、先方から金を積み上げて突きつけますので、どうしようもいたしかたありませぬ」

(萬々)「小判だものだ。困ったものだときこえるか」

(補足)

 かすれていて読みづらいですが、前後のつながりからなんとか読むことができます。

 手代の足先をみるとつま先立ちで、あわてて書状をもって萬々に届けた様子が伝わります。絵師の細かい気遣い筆使い。

 萬々は胡座をかたむけて半分立膝、からだをのりだして書状に見入ります。座布団二枚でちっとも「ふさ可゛せる」なんてことはなさそう。

 

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