P26P27 国文学研究資料館蔵
P26
(読み)
かゝるいろぢごくのくるし
かかるいろじごくのくるし
き事 をごくらく
きことをごくらく
通土(つうど)の一ツ寸 さきハ
つうど のいっすんさきは
やミ多゛尓与らいと申
やみだ にょらいともうす
大 じん本゛とけふびん尓
だいじんぼ とけふびんに
於本゛しめし
おぼ しめし
ていし由大 王 尓
ていしゅだいおうに
さう
そう
多゛ん
だ ん
して
して
志ま
しま
王う
おう
ごんを
ごんを
於ゝく出しミうけ
おおくだしみうけ
してごくらくつうどへ
してごくらくつうどへ
すくひとり給 ふぞ
すくいとりたもうぞ
あらあり可゛多や於多うとや
あらありが たやおとうとや
いもとや於ぢや
いもとやおじや
いとこ者とこふ多
いとこはとこふた
於やハ申 に於よバ須゛
おやはもうすにおよばず
多ちまち志゛やうぶつ
たちまちじ ょうぶつ
う多可゛い奈くう可ミ上 ると
うたが いなくうかみあがると
いふ事 ハこん奈事 可ら
いうことはこんなことから
者じ
はじ
まり
まり
个る
ける
(大意)
かかる色地獄の苦しきことを、極楽通土の一寸先は闇だ如来と申す、大尽仏は不憫に思し召して、亭主大王に相談し、紫磨黄金を多く出し、身請けして極楽通土へお救いになられ、ありがたいことであった。弟や妹や叔父やいとこ・はとこ、ふた親は申すに及ばず、たちまち成仏疑いなく、浮かび上がるということは、こんな事から始まった。
(補足)
通人がゆく極楽浄土なので「極楽通土」、「やミ多゛尓与らい」はもちろん阿弥陀如来の洒落。4人の後ろで笏を持って立っているのが大尽仏。
「志ま王うごん」、『しまおうごん ―わうごん【紫磨黄金】
紫色を帯びた最も良質とされた黄金。紫金。紫磨金(しまごん)。閻浮檀金(えんぶだごん)』
文章は鮮明で読みにくいところもありません。
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