P26P27 国文学研究資料館蔵
P26
(読み)
P27
「女 郎 ごうの
じょろうごうの
者かり尓
はかりに
可ゝる
かかる
P26
「よい
よい
とり可゛
とりが
かゝ川多と
かかったと
与く
よく
しん
しん
まん\/
まんまん
多る於尓のやう奈
たるおにのような
ものあつまり
ものあつまり
可の三うらやの
かのみうらやの
多めしを引 ごうの
ためしをひきごうの
者可り尓
はかりに
P27
可けてミれハ
かけてみれば
女 郎 の可ら多゛より
じょろうのからだ より
ミうけきんの
みうけきんの
本う可゛
ほうが
於もひ由へ
おもいゆえ
これ尓て
これにて
さう多゛ん
そうだ ん
き満る
きまる
(大意)
女郎、業の秤(はかり)にかかる。
よい鳥がかかったと、欲心満々の鬼のような者たちが集まり、かの三浦屋の例にならって、業の秤にかけてみると、女郎の体より、身請け金のほうが重いゆえ、これにてこの件はまとまった。
(補足)
この丁の見開きも歌舞伎の一幕の場面にすれば、見栄え良く受けること間違いなし。
「ごうの者かり尓可ゝる」、変体仮名「可」、ひらがな「り」は全く同じ形。
『ごうのはかり ごふ― 【業の秤】地獄にあって亡者の罪業をはかるという秤。「娑婆世界の罪人を或いは―にかけ」〈平家物語2〉』
「三うらやの多めし」、歌舞伎・浄瑠璃で有名な「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」のモデルとなったはなし。女郎の体重分の黄金を身請け金とする逸話は三浦屋抱えの遊女高尾を仙台侯伊達綱宗が身請けするときのはなしが有名。
巨大な天秤ばかりを部屋の梁から吊るし、天秤棒の目盛りも刻んでこれを商品にすれば売れます。女郎の乗りざまがこれまたリアル、腰帯を皿からはみ出し垂らすところがにくい。女郎・金千両箱二つがのる皿を支える綱がピンと張ってる感もよし。
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