P21 国文学研究資料館蔵
(読み)
月 のさハりと
つきのさわりと
奈るときハ人
なりときはひと
奈ミ尓すへふろへも
なみにすへふろへも
者いられ須
はいられず
さふい
さぶい
志ぶんも
じぶんも
ぎやう
ぎょう
ずいを
ずいを
つ可ふ
つかう
その
その
由を王可して
ゆをわかして
もらふ尓も
もらうにも
志多者多らき尓
したばたらきに
一 分 ツゝもやら袮バ
いちぶんずつもやらねば
奈ら須゛つ可゛うの
ならず つご うの
王るひとき奈ぞハ
わるいときなぞは
ミをきらるゝ
みをきらるる
思 ひ奈りこれぞ
おもいなりこれぞ
ちのいけのくるしミと
ちのいけのくるしみと
いつ川べし
いつつべし
(大意)
月の障り(月経)のときには、ひとなみに据風呂へも入ることはできず、寒い時分でも行水を使う。その湯を沸かしてもらうのにも、下働きのものに一分ずつもやらなくてはならない。金回りのわるいときなぞは、身を切られるおもいである。これぞ血の池の苦しみというのであろう。
(補足)
「一分」、銀一匁(もんめ)の十分の一。十文程度。かけそばが16文なのでいまならペットボトル小一本くらい。
「いつ川べし」、『つ◦べし
(連語)〔完了の助動詞「つ」の終止形に推量の助動詞「べし」の付いたもの〕
① 動作・作用の完了・実現が確かなものとして当然予想される意を表す。…するにちがいない。きっと…てしまうであろう。たしかに…しそうである。「ゆくりなく風吹きてこげどもこげどもしりへしぞきにしぞきて,ほとほとしくうちはめ―◦べし」〈土左日記〉「楊貴妃の例(ためし)も引き出で―◦べうなりゆくに」〈源氏物語•桐壺〉』
ためになる客をひきとめるために、指切りをしたり起請文をかいたりとありましたが、もう一つ入れ墨もありました。拡大しても読むことが出来ず残念。背中を見せている遊女も左腕に小さく入れ墨があります。また髪型も違っていて、ちょっと年増なのかもしれません。
行水桶の縁にのっている小袋は糠袋、奥のふたりの遊女の手にもそれぞれ握られています。
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