P18 国文学研究資料館蔵
(読み)
此 いろぢごく
このいろじごく
尓てハ志や
にてはしゃ
者゛でま多゛
ば でまだ
可多びら
かたびら
をきる
をきる
志゛ぶん八 月
じ ぶんはちがつ
朔 日 尓白 むくの
ついたちにしろむくの
可さ年ぎを
かさねぎを
させるざん志与の
させるざんしょの
つ与ひ志゛ぶんハ
つよいじ ぶんは
そのあつさ
そのあつさ
こ多へられず
こたえられず
そのくめんの
そのくめんの
くるしさ
くるしさ
多とへん尓
たとへんに
もの奈し
ものなし
べ川して
べっして
可年のまち
かねのまち
可゛つ多
が った
女 郎 奈ぞハ
じょろうなぞは
そのうへ尓こびん
そのうえにこびん
可らひ可゛でる
からひが でる
い王由る
いわゆる
志やう袮つ
しょうねつ
ぢごくの
じごくの
くるしミ
くるしみ
これ奈り
これなり
あせつらゝの
あせつららの
ごとく尓奈可゛れる
ごとくになが れる
(大意)
この色地獄では、娑婆ではまだ帷子(かたびら)を着る時分に、八月朔日(ついたち)に白無垢を重ね着させる。残暑の強い時期にその暑さを我慢するのは大変で、暑さよけの工夫もかぎりがあり、ほかにたとえようもない苦しさである。
とりわけ、金遣いのあらい女郎などは、その上に、小鬢(こびん)から火が出る。いわゆる焦熱地獄の苦しみはこれである。
汗、つららのように流れる。
(補足)
「可多びら」、『〔あわせの「片ひら」の意〕① 裏を付けない衣服。ひとえもの。』
「八月朔日」、八朔(はっさく)ともいう。現在の8月末から9月のころ。八朔の日は吉原では白無垢を着て祝った。
「可年のまち可゛つ多女郎」が悩んだのですけど、う〜ん、いまひとつピンときません。
用水桶に「色地獄」とありますが、実際は町の名前がかかれます。
花魁も禿もみな同じ着物柄です。禿が頭に飾っているのは切り花か小枝の生花でしょうか。とおもってネットをのぞくと、禿のあたまのお飾りは、多種多様、様々なお飾りが盛ってありました。
0 件のコメント:
コメントを投稿