2024年3月8日金曜日

九替十年色地獄 その42

P20 国文学研究資料館蔵

(読み)

「由びをきる所  の

 ゆびをきるところの


ゑ尓ひとりで

えにひとりで


きつてゐるハ

きっているは


あんまり

あんまり


うそで

うそで


於す袮へ

おすねへ


「て うしの志りで

 ちょうしのしりで


ぶつも久 しひ

ぶるもひさしい


本う多゛与

ほうだ よ


「ついて尓

 ついでに


このちで

このちで


でき合 の

できあいの


きしやうを

きしょうを


二三 まひ

にさんまい


可いて

かいて


於きい

おき


しやう

しょう

(大意)

「指を切るところの絵に、ひとりで切っているのは、あんなのは嘘ですよ。

「銚子の尻でぶつのも、昔ながらのやりかたさ。

「ついでにこの血で、ちょっと起請文でも二三枚書いておきましょう。

(補足)

「ゑ(え)」の元字は「恵」、「ゐ(い)」は「為」。ついでにカタカナの「ヰ(い)」の元字は「井」。

「あんまり」、当時の「あ」は現在の「お」から「ゝ」を除いたかたち。

 ここの指切りの他に、起請文(神仏に愛を誓う)を書くのもよくあったとありました。

 

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