2024年3月1日金曜日

九替十年色地獄 その35

P16P17 国文学研究資料館蔵

P17

(読み)

きのじや

きのじや


「多゛ん\/可し多

 だ んだんかした


ぜ尓の可づのこ

ぜにのかずのこ


奈つけの

なづけの

P17

志やう由の可らひ事 を

しょうゆのからいことを


いつてもそつちの

いってもそっちの


まゝ尓ハ

ままには


ざぜんまめ

ざぜんまめ


ごまめ

ごまめ


にまめ

にまめ


その

その


いゝ王けも

いいわけも


飛多しもの

ひたしもの


もふあさつけの

もうあさづけの


事 ハ於け二 日と

ことはおけふつかと


ま多れぬふ多

またれぬふた


ちや王ん

ちゃわん


尓しめを

にしめを


ミぬうち

みぬうち


者らつた

はらった


\/

はらった

(大意)

喜の字屋

「あれこれ都合した銭の数は、いくら文句をいっても、そっちのままには、ならないのでございます。そっちの言い訳もたいしたもの、もう明日のことはおいておいて、二日と待ちはいたしません。締められぬうちに、さぁ払ったはらった」

(補足)

「きのじや」、『きのじや 【喜の字屋】

① 吉原の遊郭内で,「台の物」と呼ばれる料理の仕出し屋の通称。享保(1716〜1736)年中,喜右衛門という者が評判をとったことに由来するという。「―の名も高く」〈洒落本・遊子方言〉』

 喜の字屋は仕出し屋なので、食べ物づくしの洒落で借金を催促。

 両端の男たちの着物柄、縦縞・格子、体の線にあわせて描いて立体感がでています。うまいものです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿