2024年3月22日金曜日

九替十年色地獄 その56

P26P27 国文学研究資料館蔵

P27

(読み)

P26

「てい

 てい


し由

しゅ


大 王う

だいおう


个ん

けん


ぶつ

ぶつ


する

する

P27

「此 於いらんも

 このおいらんも


ものまへ奈ぞ尓ハ

ものまえなぞには


於し可゛於も可つ

おしが おもかっ


多可゛から多゛ハ

たが からだ は


べら本゛う尓

べらぼ うに


可るひぞ

かるいぞ


おいらんハ

おいらんは


於しあハせ多゛

おしあわせだ

(大意)

「亭主大王、見物する。

「この花魁も、物日の前なぞには押しが強かったが、からだはべらぼうに軽いぞ。

「花魁は、お幸せだ。

(補足)

「ものまへ」、『ものまえ ―まへ 【物前】

② 〔「物日(ものび)前」の意〕盆・暮れ・節供などのすぐ前。ものぎわ。「―にも苦労がうすくて寿命が延びるやうだ」〈滑稽本・浮世床•初〉

③ 近世,遊郭の紋日(もんび)の前。「―の客あやうきに寄りつかず」〈誹風柳多留•4〉』

「於し可゛於も可つ多」、押しが強い、あつかましい、ずうずうしい。

 見物する禿(かむろ)と話しかける遊女の袖口の留め飾りが目を引きます。

 

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