P21 国文学研究資料館蔵
(読み)
「下 ハ多らきの於尓くち
したばたらきのおにくち
小言 をいふ
こごとをいう
「いゝ可げん尓して
いいかげんにして
あ可゛ん奈せへ
あが んなせえ
王つちら可゛くめの
わっちらが くめの
仙 人 てミ多可゛いゝ
せんにんできたが いい
志゛やうふ多゛んめを
じ ょうふだ んめを
ま王しやす
まわしやす
「モシちよつと
もしちょっと
ミゝを於多゛し
みみをおだ し
奈んし
なんし
「者゛ん尓又 松 やの
ば んにまたまつやの
きやくつら可゛
きゃくずらが
きんすとさ
きんすとさ
いや多゛
いやだ
のふ
のう
(大意)
下働きの鬼が文句を言う。
「いい加減にしてあがんなせえ。わっちらが久米仙人みたいなら、いつも目をまわしやす
「もし、ちょっと耳をかしておくんなさい
「晩にまた、松屋の客たちが来るんですって、嫌だのう
(補足)
「くち小言」、『くちこごと 3【口小言】
不平や文句を言うこと。「下女はお上さんがあんなでは困ると,―を言ひながら」〈雁•鷗外〉』
「常不断」、『じょうふだん じやう― 3【常不断】
常に絶えないこと。いつも。ふだん。「課長さんの所(とこ)へも―御機嫌伺ひにお出でなさるといふ事(こつ)たから」〈浮雲•四迷〉』
「久米仙人」、飛行術を修得したが川で洗濯する女のふくらはぎをみて墜落した。ここの「く」と「くち小言」の「く」のかたちが違います。
下働きの手にしている箒のようなものはなんでしょう?箒だったらちゃんと藁なので縦線をいれるはずだし・・・
四人の裸、デッサンのようにササッと仕上げた感じ、彫師もうまいものです。
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