2024年3月31日日曜日

延命長尺御誂染長壽小紋 その4

P1 国文学研究資料館蔵

(読み)

ぞうく王の神古

ぞうかのかみこ


今 人 のいのち能多

こんひとのいのちのた


奈おろしを志給 ふ

なおろしをしたまう


「神 代の志゛ぶんハむ

 かみよのじ ぶんはむ


しやう尓いのち可゛奈可゛いから

しょうにいのちが なが いから


かんじやうにてま可゛とれる

かんじょうにてまが とれる


「ひこ本ゝでミの

 ひこほほでみの


ミことハ〆 高 可゛六十三万七千八百九十二さいう可゛やふ起あハせ春゛

みことはしめだかが            さいうが やふきあわせず


のみことハ八十三万六千四十二さい

のみこと          さい


多゛このやう奈な可゛い以のちハ

だ このようななが いいのちは


おきどころ尓こまるくらしき可゛

おきどころにこまるくらしきが


多んとでゝハ可んじやう可゛

たんとでてはかんじょうが


ひきあハぬぞ

ひきあわぬぞ

(大意)

 造化の神は古くより今日まで命の棚卸しをされてらっしゃる。

「神代の時分は大変に命が長いから、(棚卸しの)勘定に手間がかかる。彦火々出見尊は総額が637892歳、鵜茅葺不合尊は836042歳だ。このような長い命は置きどころに困る。

倉庫代がたくさんかかっては勘定が引き合わぬぞ」

(補足)

「ぞうく王の神古今人の」、「神古今人」と、このように漢字が並ぶ区切りはどこか悩みます。

「志給ふ」、ここは「玉ふ」ではありませんでした。

「くらしき」、『②「倉敷料」(倉庫に物品を預けた場合に支払う保管料。敷料)の略』。

 そろばんが、神様のなせる技か、浮いて見えます。この算盤、下段の玉を数えてみると6個?あって、これまた神様専用のもののよう。

 後ろの大福帳、「壬戌享和二年正月吉日寿命仕入帳」「人間命数壬戌享和二年正月吉日勘定帳」とあります。

 長押にかかっている命札、これって煎餅にしたり、御札にしたり、孫の手にしたりして商品すれば売れるとおもいます。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿